JRが連携強化すれば日本の観光は活性化する 西日本豪雨被害の地域復興へ、各社で誘客を
筆者は日々の通勤に東日本旅客鉄道(JR東日本)を利用している。しかし、普段都内のJR東日本在来線の駅を利用するときにいつも気になることがある。それは、駅構内の観光PRポスターの目的地が東北・北海道、関東甲信越、伊豆、北陸ばかりであることだ。旅行商品のパンフレットでは京都・ユニバーサルシティなどのラインナップもあるが、それでも東北・北海道などと比べると圧倒的に少ない。
伊豆などは東京の近場であるから理解できるとしても、東北・北海道は首都圏から遠く、北海道はJR東日本のエリアではない。それなら同様に首都圏から離れた京都や伊勢志摩、広島など各地の観光PRポスターがあってもいいはずだ。しかし、都内のJR在来線の駅で東北・北海道、関東甲信越、伊豆、北陸以外のエリアのPRポスターを目にする機会は「デスティネーションキャンペーン」などの大型キャンペーンを除けばあまりない。なぜだろうか。
JRグループとしての一体感
JRグループは1987年4月、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)の旅客6社と日本貨物鉄道(JR貨物)の7社体制で発足した。同じ「JR」を名乗っているものの、お互いの直接的な資本関係はない。
しかしJR各社は、国鉄分割民営化の経緯を踏まえ、利用者の利便の確保や適切な利用条件の維持、地域経済および社会の健全な発展の基盤の確保を図るために、運賃・料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用などJR各社間における連携・協力の確保が求められている。
たとえば、JR各社間をまたがって利用する場合でも、私鉄と地下鉄の乗り継ぎのようにきっぷを別々に買い直すことなく、JR線として1枚のきっぷでよいのは、こうした背景を踏まえた措置が現在まで講じられているからだ。
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