ホンダCR-V、乗ってわかった1.5ターボの実力

日本復活の5代目は家族愛に満ちたSUVだ

今回、試乗した欧州仕様のガソリン1.5Lターボエンジン車のトルクは満足できたし、普通に走る限りCVTとのマッチングも悪くない。フル加速するとCVT特有の音が気になったが、日本ではハイブリッドが主力なのでそっちをチョイスすればよいかもしれない。欧州で走るならエンジンは2Lターボが欲しいところだが、あとから市販されるハイブリッドとの価格面の差別化を考えると1.5Lでも納得できる。

できればもっとパワフルなCR-Vが欲しい

印象的だったのは、ハンドルが軽くて取り回しがよいこと。視界もよく、Aピラー周辺が見やすいので、町中では歩行者や自転車の存在を認識しやすいのだ。デザイン優先のSUVの中には怖くて町中を走りにくいクルマもある。実際に町中で試乗してみて買うといいだろう。乗り心地はとてもよい。塩コショウが足りないと思うものの、良きファミリーカーとしては、このほっこりする乗り心地は悪くない。できれば、もっとパワフルな2LターボのホットなCR-Vが登場することを願う。

世界的なSUVブームは自動車メーカーにとって大きなビジネスチャンスだ。しかし、ただ車高を高くして、ちょっと大きなエンジンを積めば売れるほど、カービジネスは甘くない。メーカーが掲げるブランドの中で、SUVの位置づけを明確にするべきなのだ。というのは、高額なクルマを買うユーザーにとって、そのクルマがメーカーの思いつきで開発した流行製品なのか、あるいは本気でSUVを開発しているのか見定める必要があるからだ。

いまでは、先進国から新興国までSUVが売れるようになったのは、SUVは背が高くて運転しやすいことのほかに、衝突時の安全性も高く、走りもセダンと変わらない上質な走り味が提供できるようになったことが挙げられる。ピックアップトラックから発展してきたSUVだが、いまでは大統領や女王陛下も乗るほどの高級車に進化している。現在、SUVを作らないメーカーはフェラーリとマクラーレンというスーパーカーくらいで、ベントレーやランボルギーニもSUVを市販している。

新型CR-Vと筆者(写真:Honda Motor Europe)

下は軽カーのジムニーから(SUVのカテゴリーに入るかどうかは微妙だが)、上はロールス・ロイス(同社初のSUV・カリナンを発表済み)まで、SUVは乗用車のスタンダートとなってきた。だが、各国で求める安全や環境基準を満たすことも大切で、EVのような次世代パワープラントや自動運転技術を搭載する最先端SUVも市販される。メーカーにとってはパッケージの最適化など腕の見せ所だ。

ご存じの方もいると思うが、ドイツのプレミアムメーカーはブランド力と高性能で魅力的なSUVを世界中で販売し、大きな利益を稼いでいる。しかし、日本メーカーはファミリーカーとして質実剛健なクルマ作りが得意なので、ドイツ車とは異なるコンセプトだ。

筆者は今回、試乗した新型CR-Vをドイツのアウトバーンでも走らせてみたが、そこそこのスピードでもリッター12キロ前後の燃費でクルーズできた。アウトバーンを時速150キロメートル前後で走ってみると、もう少しフラットライドなほうが良いと思ったが、ロールが気になるほどではなかった。新型CR-Vは家族思いのパパやママから「あらゆる生活シーンで便利」という声が聞こえてきそうだ。家族愛に満ちたSUVであることは間違いない。

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