あの発言は「杉田水脈氏だけの問題」ではない

「自民党と自称保守」を支配している根本思想

しかし、それでも、ことこの問題に関して言えば、圧倒的に正しいのはサヨクのほうです。いや、正しいか正しくないかという以前に、まずそもそも、彼女の記事は(「全文を読んでほしい」という彼女の言うとおり、全文を読みましたが)、あまりにも「卑劣」で「醜悪」であると、言わなければなりません。

彼女は、「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません」などと、一見「保守っぽい」ことを言っていますが、どう考えても、「常識」を「見失って」いるのは、彼女自身のほうでしょう。

彼女がやっていることは、弱い者をたたき、異質な者を排除することによって、自分(たち)が「普通であること」を確かめ、集団としての「秩序」を保とうとすることでしかありません。これはまさに、「いじめ」の構造そのものです。いやしくも「保守」を自称し、日本の伝統だの、日本人としての誇りだのを口にするのであれば、せめて、「弱きを助け強きをくじく」といった意気地や誇りや美意識を、もう少しは大事にしてほしいものです。それがカケラも見られないから、彼女の文章は、ただただ「卑劣」で「醜悪」なのです。

20年来の自民党の根本思想がリピートされたにすぎない

とはいえ、あまり杉田氏個人、あるいは彼女の今回の「生産性」発言そのものを批判しても、意味はないでしょう。繰り返しますが、彼女が書いた記事は、ほとんどまじめに批判する値打ちもないほど、悲惨なものです。すでに示されているさまざまな批判――「ひどい差別だ」「人権感覚がない」「優生思想につながる」「生産性で人間を測るのはおかしい」「事実誤認が多すぎる」「LGBTのことを何も勉強していない」等々――は、すべて、まったくそのとおりです。

けれども、あえて、ちょっと「上から目線」で言わせてもらいますが、これらの批判を見て、私は「いまさら」感を禁じえませんでした。同じように、彼女の記事そのものについても、私はほとんど「驚き」も「ショック」も感じませんでした。「そりゃ、そう言うでしょうね」というのが、彼女の記事を読んだ私の感想でした。

じつを言うと、私は普段、あまりテレビも新聞もインターネットも見ない人間で、杉田水脈という人のことも知りませんでした。「こんなとんでもない奴がいるぞ!」と人に教えられて、はじめて記事を読んでみたのですが、そんな私の感想が、「ああ、まあ、そうでしょうね」というものだったのです。「驚かないのか? こんなひどい奴が政治家をやっているんだぞ?」と問われたので、私はこう答えました。

「だって、自民党だもの」

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