スタートトゥデイが放つ「WEAR」の衝撃 ファッションもショールーミング化する?

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しかし、今年6月にWEARが公表されて以来、駅ビルやショッピングセンターなどの商業施設は警戒感を露わにした。「リアルの店舗がショールームのように扱われては、商売上がったり」(関係者)という反発があるためだ。

商業施設はテナントとして入っている衣料品専門店の売り上げに応じた賃料収入が最大の収益源。WEARを介してゾゾタウンやブランドのECサイトで衣料品を購入された場合、商業施設の売上高は減少を免れない。そのため猛烈に反発しているのだ。

写真撮影を禁止

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WEARのアプリは無料でダウンロードできる

駅ビル大手のルミネは「WEAR」が発表された後、「館内での写真撮影は原則禁止」という文章を入居テナントに通達した。バーコードスキャン機能を利用させないように、暗にテナント側にプレッシャーをかけた形だ。

自社ECサイトを強化している百貨店の三越伊勢丹(三越伊勢丹ホールディングス)も店内でのWEAR使用を許可しない方針を示した。

結局WEARは、商業施設などからの想定以上の反発を受け、許可された施設内でしか使用できないように「チェックイン機能」を追加することで騒動の収束をはかった。こうした準備のために、当初9月に予定していたサービス開始時期は、10月31日までずれ込んだ。

その同じ日に都内で開かれた第2四半期(2013年7~9月期)決算説明会に、前澤社長はバーコード柄の「WEAR」Tシャツで登場。「今朝まで作業して、なんとか今日に間に合わせることができた」と、安堵をにじませたのもそのためだろう。

反発が相次ぐ中、商業施設大手の中では唯一、WEARの導入を決めたのがパルコだ。「テナントのプラスになるなら導入する方針。集客の効果にも期待している」(パルコ)。11月8日から来年4月末までの約半年間、渋谷、池袋、名古屋、千葉の4店舗でWEARのバーコードスキャン機能を実験的に導入する。

導入に踏み切ったのは、パルコでWEARを使った消費者がネットで商品を購入した場合、売り上げの数%の手数料が支払われるという条件が提示されたためと推察される。11月8~21日(名古屋店は25日まで)には、館内をWEAR一色に染め上げる大々的なプロモーションを予定している。

ただし、パルコにも新サービスへの抵抗がまったくなかったわけではないだろう。「あくまで一部店舗での半年間のトライアル」と位置づけており、5月以降も継続するかは現時点では決まっていないという。

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