ポケモン最新作、「スイッチ版」開発の舞台裏 「ポケモンGO」の大ヒットを生かせるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

レッツゴーの企画が本格的に始まったのはおよそ2年前。ちょうどポケモンGOが大流行していた時期である。今作でプロデューサーを務めた株式会社ポケモンの曽羽孝則執行役員は、「新幹線の車内で年配の方がフシギダネ(ゲーム内に登場するポケモン)について語るのを聞いて衝撃を受けた。今までポケモンを遊んでいた人の親世代やゲーム機が販売されていない地域など、まったく想定していなかったところにまで人気が広がった」と話す。

プロデューサーを務めた株式会社ポケモンの曽羽孝則執行役員(撮影:今井康一)

当時はスイッチへの対応について議論していたタイミングでもあり、両方の要素を合わせ、「スイッチを用いて新規ポケモンファンが手に取りやすい”マイファーストポケモン”を作る」という開発コンセプトが決定。最もなじみ深いポケモンが登場するタイトル、ピカチュウ版をベースにすることも決まった。

新たなファン向けに“わかりやすさ”を重視

新規ファンを取り込むために重視したのが、わかりやすさだ。これまでは新作が出るたびにポケモンの数が増え、システムや機能も追加されていた。それに対し今作では、前述した捕獲方法の変更だけでなく、登場するポケモンの種類を絞り込むなどの簡略化が行われている。

ポケモンGOは、目当てのポケモンをゲットするために夜の公園に大勢の人が集まるなど、社会現象になった(撮影:今井康一)

「ポケモンGOは捕獲に特化したゲームだが、本編にはそれ以外にも育成や対戦、ストーリーなど多くの要素がある。本編を初めてプレイする人でもわかりやすい形でポケモンの魅力全体を知ってもらいたかった」(曽羽氏)

並行して、スイッチへの対応も進められた。スイッチの特徴は、据え置き機であると同時に本体を取り外して携帯機として遊ぶこともできる点にある。携帯機向けゲームとして展開してきたポケモンにとっては、テレビにゲーム画面を映す遊び方が加わることになる。

次ページボールの“投げ心地”にこだわった
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事