NECは「3000人リストラ」で生まれ変われるか 外部人材登用の一方、10月から希望退職実施

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「今回来ていただいている方はほとんど外資系の経験しかない方なので、かなりの抵抗はあるだろうし、来ていただいた方もギャップを感じているはず。われわれもそのギャップを埋めていく努力が必要だ」(新野社長)

自前主義はもちろん人に限らない。「クラウド事業でもわれわれで独自のクラウドをもっているが、求められれば、アマゾンやマイクロソフトのサービスを組み合わせて提案する。何でもかんでも自分たちのもので提供する時代は終わったと思う」(新野社長)。

中計初年度から目算狂う

NECは今年1月に3カ年の新中期経営計画を発表した。営業利益(国際会計基準)は、2019年3月期に500億円、2020年3月期に1200億円、最終年度の2021年3月期に1500億円を目指すというものだ。

今期の営業利益500億円の中には、電極をつくる子会社、NECエナジーデバイス株の譲渡による100億円の増益要因が含まれる。だが、7月に入って譲渡先の中国投資ファンド・GSRキャピタルが、資金が足りないことを理由に買収を断念した。

新野社長は「ここまで詰めてきたスキームなので、このままやるのが一番いい。GSRとしてもやりたいスキームだと思う」と述べるなど、今後も売却を模索するつもりだ。

とはいえ、今期中に売却ができず100億円の増益要因が消えるリスクは高まっている。他方、前出の3000人の希望退職も45歳以上と限定される中で、積極的に手を上げる人が多いとは考えられず、想定していた300億円の構造改革費用を使い切らない可能性もある。いずれにせよ今期の業績見通しに、不透明感が漂っているのは間違いないだろう。

2012年に実施した1万人リストラでは、退職を説得する管理職側の疲弊も募り、社内のモチベーション低下を招いた。年末に予定されている希望退職者の退職日に辞める人数がどれくらいになるか。NECの経営陣は中計初年度から難しい舵取りを迫られている。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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