小田急ロマンスカー「LSE」38年の豪快な疾走 定期ダイヤでの運転終了、年度内に引退へ

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オレンジとグレーの塗装を受け継いだLSE(記者撮影)

LSEは、流線形の車体にオレンジとグレーの塗装、車両と車両の間に台車を設けた「連接車」など、その後のロマンスカーの伝統を築いたSEから数えて3代目の車両として登場。運転席を2階に上げて先頭に展望席を設けた構造は、SEの後継車として1963年に登場した3100形「NSE(New Super Express)」から受け継いだ。

外観は登場時のトレンドも反映し、丸みのあるデザインだったSEやNSEと比べて直線的なデザインに。展望席の窓ガラスの傾斜もNSEより鋭角になり、それまでのロマンスカーのイメージを保ちつつシャープなスタイルとなった。

愛称は「豪華さ」から

LSEのLは”Luxury”(豪華な)の頭文字だ。生方さんは「『豪華』といっても、最近の特急列車のように豪華という感じとは違いますよ」と笑うが、「展望席も側面も窓が大きくなって、より明るい雰囲気になった」。ロマンスカーでは初のリクライニングシートを採用し、人気の高い展望席の座席数を増やすなどグレードアップを図ったほか、終着駅で座席を自動的に方向転換するシステムも初めて導入した。

白とワインレッドの塗装だった当時のLSE(記者撮影)

塗装はSEから続いたオレンジとグレーのカラーリング。1990年代半ばにはのちに登場した10000形「HiSE」に合わせた白とワインレッドの塗り分けに変わったが、近年になって再び元の塗装に復元された。「最近のロマンスカーは白・青・赤と単色ですが、SE以来のこの塗装は飽きがこない。(LSEが長年愛される車両となったのは)飽きのこないデザインという点が大きいでしょうね」と生方さんはいう。

LSEに次ぐロマンスカーとして1987年に登場したHiSEや、JR御殿場線乗り入れ用として1991年に運行を始めた20000形「RSE」は、床面の高いハイデッカー構造でバリアフリー化が難しいことから2012年に引退。後輩車両が先に姿を消す中、バリアフリー対応も可能だったLSEは長らく現役の座を保つこととなった。

展望席や連接車など、SEやNSEで培ったロマンスカーの特徴を受け継ぎつつグレードアップを図ったLSE。だが、SEやNSEから設計思想を切り替えた部分もあった。重心を下げるために床面を低くする構造をやめたことだ。

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