日本のエリートに欠ける「本質」見抜く力の源

徹底的に思考して言葉にすることが必要だ

では、忙しいビジネスパーソンが「哲学する」ためにはどうすればよいのか? 方法はいろいろある。

今すぐ「哲学する」ための方法いろいろ

①通学で

哲学するために学ぶには、かつては大学の教養科目で選択するか哲学科を専攻するしかなかったが、最近は変わってきた。大学の社会人向け講座やカルチャーセンターでの講義もあれば、私もときどき開催する「哲学カフェ」のようにカジュアルに参加者と議論する場もあるし、個人が行っている哲学塾もある。

②独学で

哲学するための基礎に欠かせないのが独学だ。哲学は独学に向いている。なぜなら、実験器具もいらないし、場所も問わないからだ。極端な話、頭だけあれば誰でもすぐに始められる。考えればいいだけだから。

基本は、

「本を読む」
「考える」
「言葉にする」

の3つを繰り返していけばいい。本を読んで知識を得たり、疑問を持ったりする。それを題材にしたり、きっかけにしたりして考える。そのうえで、考えた内容を一度言葉にしてみる。あとは、そのおのおののプロセスをいかに深くやれるかだ。特に考えるという部分が深くなると、より哲学の営みに近づいていくわけである。

たとえば、数ページ本を読んだとしよう。手元にあるラッセルの『幸福論』の最初のほうを読んでみると、健康で食べ物が十分あっても、現代社会の人間は幸福ではないと書いてある。そこで、これはなぜなのかと考えてみる。そして、おそらくほかに欲望があるからだとか、自分が満たされていることに気づいていないからだと思ったら、そのことを一度言葉にしてみる。こうした作業を繰り返していけばいいのだ。

③日常の暮らしの中で

もちろん哲学は学ぶのがゴールではない。人生のあらゆる場面で役立つのが哲学だ。そもそも、私たちはあえて「哲学する」ことを意識しなくても、哲学していることも多い。物事についていろんなシナリオを考えるとき、私たちは頭の中でシミュレーションを行う。これは思考実験と呼ばれるものだ。

そして、哲学はもちろん人生相談などにも使える。私もよく悩み相談の本を書いたり、テレビで哲学を使った悩み相談の番組をやっていたりする。そもそも自由とは何か、愛とは何かという哲学の古典的な問いは、人生に関する問いだった。なかでも手軽なのが、名言や格言をきっかけにすることである。

次ページどんなものでも哲学するための材料になりうる
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