米国名門大学がハイレベルである理由 本当に強い大学―決定版―

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米国で「名門(エリート)大学」と呼ばれるのは、東部「アイビーリーグ」の通称で呼ばれるハーバード、イェール、プリンストンなど8大学。これにシカゴ、マサチューセッツ工科大学(MIT)や西部のスタンフォード、カリフォルニア工科大学などが加わる。

アイビーリーグは米国の歴代大統領を多く輩出し、教育力の高さで世界的な名声を維持している。入学は狭き門。アイビーリーグの合格率は7%前後、SAT(大学進学適性試験)で2250点以上必要だ。

とはいえ、これら大学は「全人的に優れた学生」が最優先であり、SATで2400点満点を取っても不合格になる学生もいる。学業に加え、スポーツや生徒会活動、地域でのボランティア、芸術などで実績があり、「将来優れたリーダーになる」ための資質が問われる。

教育力の高さは断トツだが、それは教職員と学生数の比率にも表れている。アイビーリーグのほとんどの大学が、教員1に対して学生5。1対20である多くの大学と比べて、いかにきめ細かい対応が用意されているかがわかる。

それだけに学生生活はかなりハードだ。米国の大学では最初に年間のカリキュラムが明確に提示され、授業ごとに予習の必要な範囲も示される。授業には予習をしたうえで臨むのはもちろん、独創的な質問や研究をすることも期待される。

ハーバード大学に通う留学生、山田寛久さん(20)は、「宿題はとにかくたくさん。毎週出てきつい」と苦笑する。ただ、「宿題が出るクラスもあれば、たまにペーパーを出すクラスもある」という。イェール大学の留学生、古賀健太さん(23)も、「想像より授業や宿題はきついが、刺激的で毎日が楽しみ」と話す。

コンピュータサイエンス専攻の古賀さんは、「同じ専攻以外にも文学や演劇、哲学などの学生と気軽に交流できて、毎日が知的刺激にあふれている。これは日本の大学では味わえなかったこと」とその充実ぶりを語る。一方、東京大学理科Ⅰ類にも合格し、数カ月間通学したこともある山田さんは、「東大にもすごい学生はたくさんいる。だが、日本人として米国の大学に通うからこそ生じる付加価値を身に付けられるのは、やはりハーバード」と言う。

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