三セクや貨物鉄道、意外にある「儲かる路線」

営業係数を試算…成績良好な路線はどこ?

■路面電車

全国18の軌道経営者のうち、営業係数が100を下回っているのは富山地方鉄道と広島電鉄のどちらも軌道部門、それから鹿児島市交通局の3者しか存在しない。路面電車の場合、平均通過数量が多いからといって利益を生み出さないという点が特徴だ。輸送力が小さいため、輸送人員の増加に比例して費用もかさむという弱点が如実に表れている。

そのような中、富山地方鉄道は営業係数が78.7と、ほかの軌道経営者を圧倒する数値を記録した。2014年度の収支の確定値を見ていくと、収入は6億9230万円、費用は5億4453万円。費用中、最も多額であったのは車両を動かすための運転費の2億7227万円で、費用全体のちょうど半数を占める。

実を言うと、路面電車全体では営業費に占める運転費の割合は36.0%で、富山地方鉄道はむしろ不利な部類だ。しかし、他部門の費用の節減が効力を発揮し、1日1営業キロ当たりの費用は20万3951円で、路面電車全体の25万8456円を大きく下回る。反対に1日1営業キロ当たりの収入では、富山地方鉄道は25万9297円と、路面電車全体の22万4814円を上回った。200円と、均一運賃としては他都市よりも高い運賃が好調な営業係数を支えているらしい。

大阪モノレールが大幅改善

■モノレール

大阪高速鉄道の営業係数は2009年度の74.7に対して2014年度は67.5と改善され、舞浜リゾートラインを抜いてモノレール中でトップの座を射止めた。両年度で収支を比較すると2014年度は収入が90億8698万円、費用が61億3599億円で利益は29億5098万円、2009年度は収入が86億7056万円、費用が64億7540万円で利益は21億9516万円だ。

費用のなかで最も劇的な変化を遂げたのは減価償却費。2009年度の23億6417万円から2014年度は12億4352万円と、金額にして11億2065万円、47.4%もの減少率を記録した。車両や設備への投資額の償却が一段落といったところか。

■ケーブルカー・トロリーバス

全体から言えるのは、立山黒部貫光や筑波観光鉄道のように、トロリーバスやケーブルカー専業の鉄道事業者の営業係数が概して良好であるという点だ。他方、伊豆箱根鉄道や京福電気鉄道など、ほかに一般的な鉄道や路面電車の事業を実施しているところは、箱根登山鉄道を除いて軒並み営業係数が100を上回っている。後者の場合、鉄道事業全体で最終的に利益を上げられればよいという考えに基づいているのであろう。

岡本製作所は営業係数の悪さもさることながら、2014年度の収入が378万円と、2009年度の697万円から319万円も減ってしまった点が気に掛かる。利用の低迷が原因で、385人であった平均通過数量が115人まで下がった事実からも明らかだ。

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