安倍首相を襲う新潟知事選「恐怖のシナリオ」

「がっぷり四つ」の戦いは会期末攻防にも影響

こうした組織戦に徹する自民党にとって誤算となったのが小泉純一郎元首相の言動だ。小泉氏は知事選告示前日の5月23日に新潟で講演したあと、会場の控室で池田氏との面談に応じ「新潟は原発があるのだから、直ちに廃炉。そういう候補に当選してもらいたい」と激励してガッチリ握手した。しかも、小泉氏はその場に報道陣も招き入れて即席の記者会見の形で持論の原発全廃論を展開して政府のエネルギー政策を真っ向から批判し、「女性活躍時代だから」などと池田氏に熱いエールを送ってみせた。

小泉氏はかねてから「選挙には関わらない」が持論だが、昨年10月の衆院選を前に、小池百合子都知事が希望の党(当時)を立ち上げて党代表となり、選挙公約に原発ゼロを掲げると、都庁で面談し、今回と同様にエールを送っている。小泉氏は首相の「政界の師」でもあるが、告示日前日に野党統一候補の支持を明確にしたことは「原発依存20%」をエネルギー政策の基本とする安倍政権への強烈な批判をあえて見せつけた格好でもある。

進次郎氏も「首相の3選阻止」で父親と連携?

この小泉氏の行動は、自民党選対などが国政選挙はもとより地方選挙でも「集票の切り札」としている小泉進次郎筆頭副幹事長の新潟入りを阻む要素ともなっている。現地ではさっそく野党陣営から、「進次郎氏が選挙応援を拒否した」との情報が流された。たしかに、選挙戦終盤になってもまだ進次郎氏の応援は実現していない。いぶかるメディアが同氏事務所に問い合わせても「個別の質問には答えない」との素っ気ない回答だったとされる。このため、自民党内では「いよいよ小泉親子が首相の3選阻止に動き出したのでは」(石破派幹部)との声も出始めている。

中央メディアや地元紙が告示前から数回実施した情勢調査の生数字では、わずかの差ながら花角氏が池田氏をリードしているとされる。しかし、前回知事選では最終盤で情勢が逆転しており、「前回の53%を超える投票率となれば、池田氏が有利」(地元選挙専門家)との見方が少なくない。しかも、ここにきて自民党が「最大の拠り所」(選対)としている公明党との連携にも不安が広がっている。「新潟の自民党は公明党との折り合いが悪い」(同)のが原因だ。

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