「2019年夏までアベノミクス株高」説は本当か 太陽の黒点と景気循環の波はほぼ一致する?

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では、日本はどうか。戦後の景気循環を平均してみると、拡大3年(36ヵ月)+後退1年超(16ヵ月)=約4年サイクル(52ヵ月)が浮かんでくる。これは約40ヵ月とされる在庫循環(キチンサイクル)が多少なりとも影響しているといえそうだ。

また助走期間を含め広義の「アベノミクス相場」を思い切って以下の2つの局面に分けると、株高3年+株安1年の4年サイクルが浮かんでくる、と言えるかもしれない(注:安倍第2次内閣の成立は2012年12月なので完全には一致しない)。

①「(広義の)アベノミクス第1幕」(約4年)

株高3年 2012年6月8295円~2015年6月2万0868円
 株安1年 2015年6月2万0868円~2016年6月1万4952円

②現在は「アベノミクス第2幕」?

株高3年 2016年6月1万4952円~2019年6月頃?

2016年6月の英国のEU離脱決定からちょうど2年が経つ。その間の日経平均株価は1万4952円から一時2万4124円まで上げ幅は9172円に達した。2018年に入り、米金利上昇や貿易摩擦懸念が台頭。同年3月に一時2万0617円まで急落したものの、前述の上げ幅に対する38.2%押し水準(2万0621円)で下げ止まっている。長期トレンドを示す200日線も右肩上がりのままで、上昇相場が継続しているとみなせる。

そもそも安倍政権がこのあと続くかどうかも不明であり、足元の日本株も上げ下げを繰り返しており、上下どちらに転んでもおかしくないように見える。だが、上記の「仮説」に立てば、2019年夏頃まで堅調な展開が続くかもしれない。

夏の株高を期待していいのか?

さて6月はこのあと重要イベントが目白押しだ。米朝首脳会談、米FOMC(連邦公開市場委員会)、OPEC(石油輸出国機構)総会等が控えている。市場参加者の様子見姿勢が強まりそうだ。逆に言えば仮にこれらが無難に通過すれば、業績面から日本株への見直し買いも入りそうだ。

テクニカル面からみても日経平均株価の下値は堅くなってきた。中・長期線である75日移動平均線や200日線が2万1800~2万1900円で収束しているうえ、直近上げ幅(3月安値~5月高値)の半値押し2万1810円も重なる。

一方、日柄(日数)面では2018年1月高値(2万4124円)からみると信用買いの期日明け(通常6ヵ月)が7月以降に到来する。上値での戻り売り圧力も徐々に一巡しそうだ。今後は3兆円台半ばの信用買い残高が縮小しつつ、再び2万3000円台を上回った場合、一段高のサインとなろう。需給面での改善が整いつつあるなか、2018年6月時点、日経平均株価は年初来マイナス圏に沈んでおり、過熱感はない。今年は夏の株高が期待できそうだ。

最後に重要なテクニカルポイントを挙げよう(6月5日時点)。

2万4124円 2018年1月高値
2万3098円 週足の空間(マド)(2018年1月)
2万3002円 2018年5月高値
2万2764円 2017年末値
2万2561円 25日線の位置する水準
2万2539円 2018年6月5日終値
2万1969円 75日線の位置する水準
2万1816円 200日線の位置する水準
2万1810円 半値押し(3月安値~5月高値の上げ幅に対し)
2万0617円 2018年3月安値

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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