米アップル、「iPadエア」を11月1日発売 従来機より20%薄く、重さは約454グラム

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10月22日、米アップルは従来の「iPad(アイパッド)」より薄くて軽い「アイパッド・エア」を発表した。写真は同商品やレティーナ・ディスプレイ搭載の新型アイパッド・ミニについて語るティム・クックCEO。サンフランシスコで2013年10月22日撮影(2013年 ロイター/Robert Galbraith)

[サンフランシスコ 22日 ロイター] - 米アップルは22日、従来の「iPad(アイパッド)」より薄くて軽いタブレット端末の新機種「iPad Air(アイパッド・エア)」を発表した。

従来機より20%程度薄く、重さは1ポンド(約454グラム)。価格は499ドルからとなっており、11月1日に発売される。プロセッサーの処理速度を速め、スクリーンを改良した。

新たなアイパッドは、初めて米国と中国で同時に発売される。

アップルはまた、パソコン「Mac(マック)」の新たなラインアップを発表するとともに、マックユーザー向けに基本ソフト(OS)とビジネスソフトウエア「iWork(アイワーク)」のアップグレード版を永久に無料で提供すると発表した。

アイワークは米マイクロソフトの「ワード」や「エクセル」などと競合。また、パソコン用OSでは依然としてマイクロソフト「ウインドウズ」の後塵を拝している。

マイクロソフトがウインドウズ搭載タブレット端末「Surface Pro(サーフェス・プロ)」で攻勢を強める中、アップルはモバイルソフトウエア市場での地位を守ろうとしているようだ。

クック最高経営責任者(CEO)はサンフランシスコのYerba Buena Centerで行われたイベントで、「われわれは業界を一新する。しかし、それは目的ではない」と指摘。「われわれは顧客に最新のソフトウエアを提供したい」と述べた。

ガートナーのアナリスト、キャロライナ・ミラネシ氏は「タブレット端末市場では、彼ら(アップル)は間違いなく(グーグルOSの)アンドロイドよりもマイクロソフトの脅威が大きいと考えている」と指摘。「アイパッド・エアは、陳腐なアンドロイド搭載端末ではなく、サーフェス・プロと競合するだろう」と述べた。

一方、高精細ディスプレー「retina(レティーナ)」を搭載したアイパッド・エアとノートパソコン「マックブック・プロ」の新機種は、全く新しい製品というよりも既存製品の改善と受け止められ、この日のアップル株は0.3%安となった。

このほか、小型版タブレット端末「iPad mini(アイパッド・ミニ)」の新モデルも発表。レティーナを搭載し、価格は399ドルから。従来モデルの329ドルよりも高くなる。

これまでのイベントで公表していたデスクトップパソコン「マック・プロ」の新モデルは米国で製造される。

<真の革新への期待>

タブレット端末市場をめぐっては、アイパッドよりも安価な他社製品が広がりアップルのシェアは低下しているものの、アナリストらは、アプリなどで優位を持つとして、同社のリードは数年安泰なのではないかと指摘する。

長期的にみると、真のイノベーション(革新)をもたらす機器をアップルが開発することへの投資家らの期待は高い。

クックCEOは22日、「われわれは非常に明確な方向性と非常に野心的な目標を持っている。依然として深くこの分野を信じており、われわれがイノベーション(に対する追求)を弱めることはない」と述べた。

フォレスターのアナリスト、トーマス・ハッサン氏は「アップルについてはいつものことだが、ハードウエアのイノベーションをもたらすのではとの期待は不合理だ」と指摘。「アップルは新製品をうまくつくり出しており、ソフトウエアの革新や賢いマーケティングを通じ、時間をかけて製品の利益性を最大化するのに長けている」と述べた。

*内容を追加して再送します。

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