しまむら大構想、「10年で3000店・売上1兆円」 北島常好社長に「長期戦略」を聞く

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――2018年2月期は9期ぶりの減収減益になった。

北島:最大の要因はアイテムを絞り過ぎ、整理整頓し過ぎたことだと思います。定期発注の変更など絞り込みに伴う施策は打ったのですが、それらが全部年末年始まで遅れて、結局前期の業績には寄与しませんでした。

――絞り過ぎというのは、買いやすい売場を実現する「2016年型新レイアウト」に売場を変更したときに、商品量を減らし過ぎたということか。

北島常好(きたじま つねよし)/1959年1月14日埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。1983年3月流通経済大学経済学部卒業後、しまむら入社。1996年2月商品1部長、2009年3月西日本開発本部長、同5月取締役、2012年5月台湾の思夢樂股份有限公司董事長、2013年5月常務取締役、2015年5月取締役専務執行役員、2017年2月飾夢楽(上海)商貿有限公司董事長。2018年2月21日代表取締役社長 社長執行役員に就任。最近は和服に凝っており某サプライヤーと「和服を大切にする会」を結成したという(写真:杉田容子)

北島:はい。2016年型の売場は旧売場に比べて商品の25%が入らない設計で、本来は75%にすればよかったのになぜか60~70%まで商品量を減らしてしまったのです。

什器の連結を少なくして見通しが良く買い回りしやすくして、商品一点一点が見えるようにするのが狙いでした。

平台の山積みもできる限りやめて、フェースを見せるように改良しました。

これを今年2月まで毎月50店ずつ2年かけて全店に導入したのです。

――特に婦人アウターを絞り込んだ。

北島:やり過ぎました。紳士はうまくいったのですが。婦人のアイテム数は前年に比べて約2割減りました。その前年も2割減らしているのでピーク時に比べると都合4~5割減ったのでは。2016年は婦人が好調だったので2016年くらいがバランスの取れたアイテム数だったのだろうと思います。

国内3000店を目指す

――今期(2019年2月期)から始まる3カ年計画の骨子は。

北島:前3カ年計画では「変わること」をテーマに、商品政策や商品管理、システムを変えようとしました。今3カ年計画では国内3000店に向けて仕組みやインフラをつくり直します。

――3000店体制になるのはいつごろ。

北島:今期末には国内2184店になる計画なので、年間100店出店したとして9年後に3000店に到達します。

3000店になっても耐え得る基盤(インフラ)整備をこの3年間でしようと。

もちろん今ある業態だけでは無理なので、新規業態も開発していきます。

衣料品を中心としたソフトグッズの国内市場は10兆円弱とか14兆円といわれています。もう一つ柱にするのは、国内3000店になったときにその市場の1割のシェアを取ろうということです。するとおおむね1兆円の売上高になる。それは3年後ではありませんが、そのときの市場にはEC(電子商取引)が2、3割ある。ECもそのうちの1割は頂こうと。だから1兆円の売上げをやろうと思ったらECで1000億円、当面は100億~500億円規模をイメージして基本設計をしていきます。すると今から準備を始めないといけないので、外部を取り込みながら最良のシステムを組み立てます。

――新業態の開発だが、まず寝具・インテリアの専門店をデビューさせる。

北島:「しまむら 寝具・インテリア館 Zzz...と」を靴の「ディバロ」神戸西店を業態転換し5月24日にオープンします。

コンセプトは「価格に敏感、睡眠を科学する」。世の中で5万~6万円する商品を何とか半値以下の価格帯に収めます。幅広い年代を対象にしますが、今回は売場面積120坪で総花的に商品を置けないし「アベイル」の隣なのでエージ感をヤング寄りにします。本来は総合的な品揃えで250坪が理想です。

(聞き手:『販売革新』編集長・西岡克)

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