コナンも驚く日本の「私立探偵」の地味な実態 犯罪の真相解明などはほぼ行っていない

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住所確認は、裁判所からの召喚状関連の案件であることが多い。被告人はしばしば出廷命令書の受け取りを避けようとする。裁判所からの命令書が発行されたと知ると、被告はそれを回避しようとして、居留守を使ったり、単に無視したりするのである。召喚状が正しい住所に送付されたことを確認するために、小山は、不動産登記簿を確認し、賃貸物件の大家に聞き込みをする。

日系米国人の家族が、連絡の途絶えた、あるいはそもそも会ったことのない家族を見つけてほしいと依頼してくることもある。米国の兵士と結婚し、その後、米国に移住した戦争花嫁たちの孫たちが依頼者である案件もある。

自分探しに類する理由で、自らの系譜をたどってみようとする依頼者もいる。依頼者が遺産の相続人を探していることもある。さらには、これら以外でも、日本の元恋人が過去に生んだ自らの子どもと連絡を取りたがっている米国の退役軍人たちが依頼者といった場合もある。

大規模案件では10~12時間の監視を行う場合も

デューデリジェンス案件の場合、米国の連邦海外腐敗行為防止法や、英国の賄賂防止法への抵触を避けようとする国外の依頼者が多い。日本の地方では、県知事や市長が第3セクター(非政府組織や非営利組織など)と利害関係を持っている場合が非常に多い。こうした第3セクターは、県や市から資金援助を受けたり、県や市と共同で事業を行っている。「日本ではそのようなことがいまだにありふれている」と、小山は言う。だが、米国と英国では、これは利益相反に当たる。

調査は、不倫や子どもの親権、法人内での横領や詐欺行為にかかわるものが多い。従業員が使い込みしたり、社内規定に違反していたりすることもある。調査対象者が自社のライバル企業に情報を漏洩しているといったケースである。大規模な案件の場合、小山は (時としてチームに加わった1人か2人の応援とともに)、1日当たり10時間から12時間の監視を最長30日間行う。

「用心深い、のらりくらりとした監視対象者もいる。横領や違法薬物の摂取や不倫の場合などは監視が特に困難になることがある」と小山氏。「監視対象者が回避的な行動を取り続けた場合にはいたちごっこになる」。

警視庁によると、2016年末の探偵業の届出件数は前年比24件増の5691件で、その7割強が個人である。

リチャード・ソロモン 経済ライター、Beacon Reports発行人

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Richard Solomon

英ロンドン・ビジネス・スクール卒。欧州のICT業界向けメディア、ESNメディアグループの発行を手掛けた後、来日。日本社会が抱える問題や日本のリーダーなどに関するメディアBeacon Reportsを発行。The Nikkei Asian ReviewやThe Japan Timesなどにも寄稿している。

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