名称に“国際”もしくは“グローバル”が付く学部を持つ大学は、2004年の約70校から2017年には100校以上へと増加した。対象を学科レベルにまで広げると、設置大学数はさらに増える。
では、多くの大学で進むグローバル人材養成の取り組みについて、高校現場はどのように見ているのか。大学通信は毎年、2000の進学校の進路指導教諭にアンケートを行い、昨年(2017年)は685校から回答を得ている。
その中で「グローバル教育に力を入れている大学」についても聞いている。ランキングは、5校連記で記載してもらった大学に対し、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント、以下順に3ポイント、2ポイント、1ポイントと割り当てて集計し、ポイントの多い順に並べた。
ランキングでは上位10校をSGUの選定校が占めた。その中でトップは、昨年に引き続き、国際教養大学が選ばれた。受験生の地元志向が強まる中、秋田県の公立大ながら、日本全国から学生が集まる大学だ。卒業生の多くが多様な職種のグローバル企業に就職していることも、高校教諭の高評価につながっているようだ。
国際教養大学が圧倒的1位
2位は前年の3位から上がった国際基督教大学。「リベラルアーツ英語プログラム」または「日本語教育プログラム」の履修を卒業要件とし、日本人学生と留学生が日英バイリンガル環境で授業を中心としたキャンパスライフを送る。
留学は必須ではないが、例年全学年の2割が交換留学やサービスラーニングなどを通して、海外に渡っている。海外からの留学生と日本人学生あわせて約3000人のうち、約3割がキャンパス内の寮で共同生活をしており、国内でも国籍や文化背景を超えた交流を深めている。
3位の上智大学は、文学部から理工学部までラインナップする総合大学でありながら、約80カ国の留学生と日本人学生が1つのキャンパスで国境や学問分野などの壁を超え、学べる環境が整っている。
日本を飛び出して活躍する学生のフォローも充実しており、国際協力・国際機関を目指す学生に対する国際機関におけるインターンシップの提供など、さまざまなプログラムが用意されている。
上智大学は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、2016年に「ソフィアオリンピック・パラリンピックプロジェクト」を立ち上げた。2016年のリオと2018年の平昌冬季の両パラリンピックへの調査団の派遣、言語ボランティア養成講座の開催など、東京オリンピック・パラリンピックへの貢献に向けて着々と準備を進めている。
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