「グーグルマップ」に載るとバスは便利になる 手間のかかるデータ作成をどう乗り越えるか
「その筋屋」とはダイヤ編成を支援するソフトウェア。ダイヤ編成といわれるバスの運行時刻や車両の運用、乗務員の運用の編成を支援するソフトだが、このソフトはバスに関するさまざまなデータを入力することが可能で、GTFS形式および標準的なバス情報フォーマットに基
ソフトを開発したSujiya Systems・高野孝一代表は「GTFS形式に対応してほしいという書き込みをSNSで見た時には、正直『面倒くさい』と思った(笑)。しかし、実際に仕様を調べてみると、明らかに自分が予定していた独自の形式より優れており、Google乗換案内に掲載できるというメリットがあったので対応した」と語る。
昨年夏に東京で行われた「その筋屋」の説明会で、永井運輸の水野氏はこのソフトとデータの作り方を知った。「説明会で実際にソフトを扱ってみて、このソフトを使えばGTFS形式のデータ作成ができるのではないかと思った。そしてやってみたらできてしまったというのが正直なところ。当初は10月公開の予定だったが、思ったよりも早く公開することができた」(水野氏)。今年2月にGoogleと契約を行い、デモ画面でのデータ確認作業を経て、5月4日からGoogleマップ上での経路検索・
ある市営バスの挑戦
水野氏と同じく「その筋屋」の説明会で「自前でデータ作成ができる」と思った人がもう1人いる。青森市で141台のバスを保有する青森市営バス(
青森市といえば三内丸山遺跡が有名だが、従来はGoogleマップで検索すると新青森駅からタクシーあるいは徒歩の検索結果しか出てこなかった。また、青森市営バスは運行系統数が多く、バスの利用案内に課題を抱えていた。そこで、Googleマップで利用案内ができるようにしようとGTFS形式のデータの整備に取り組んだのだ。
データの整備にあたっては、すでに導入していたダイヤのシステムを開発した企業に無償改修をしてもらい、さらにSujiya Systemsの高野代表にも開発協力という形でバックアップを得た。「日々の業務の合間を利用してデータ整備を行った。明確な目標があったので、周囲の理解は十分だった。そのため、職場のチームの仲間から他業務での協力があり、データ作成に費やす時間が確保できた」(三浦氏)
こうした取り組みにより、青森市営バスは4月1日からGoogleマップでの経路検索に対応するようになっている。
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