日本電産永守氏が狙う「家電とクルマ」の大波

止まらない買収、売上高2兆円突破は間近

日本電産の永守重信会長兼社長は、2兆円企業への意気込みを語った(写真は2017年12月の記者会見、撮影:風間仁一郎)

「売上高2兆円はもう達成可能なところに来ている」――。日本電産の永守重信会長兼社長は、意気揚々と決算説明会に登場した。2020年までの目標達成に余裕の表情を見せた。

同社は4月24日に2018年3月期決算を発表。売上高は1兆4880億円(前期比24%増)、営業利益は1676億円(同20%増)と、ともに過去最高の数値をたたき出した。

「HDD(ハードディスクドライブ)モーターの立ち上がりを思わせる雰囲気だ」。永守会長は、現在の会社を取り巻く環境をそう表現する。さかのぼること20年以上前、1990年代の日本電産は、パソコンの普及とともにHDD用モーターで業績を拡大。1988年の株式上場時に約300億円だった売上高は、10年で1000億円を超えるまでになった。1兆円企業となった同社の礎はまさにここにある。

好決算の立役者は家電だった

永守会長は、これから日本電産の成長を引っ張る新たな分野を「4つの大波」と呼ぶ。自動車の電動化、家電製品の省エネ化、ロボット化、ドローンによる農業・物流の省人化だ。もはやHDD用モーターは「中波」にすぎない。

京都に本社を構える日本電産は好決算が続いている(撮影:ヒラオカスタジオ)

中でも2018年3月期の好決算の”立役者”が、家電製品だ。家電・商業・産業用の売上高は、買収効果もあり、前期比66%増となる5186億円と急成長。営業利益率は7.5%前後だ。

中国をはじめとして、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白モノ家電の省エネ化が進んでいる。家電にはモーターが不可欠。そこで日本電産がこれまで培ってきた、省電力で耐久性があり、小型でもパワーの出る「ブラシレスモーター」が使われるようになってきた。「新製品が全部ブラシレスモーターに変わる。景況感に関係なく2025年頃まで需要が高まっていく」(永守会長)。

家電などの拡大によって、日本電産は2019年3月期のさらなる成長を計画。売上高1兆5750億円、営業利益1900億円を見込む。しかもこれは1ドル100円、1ユーロ125円と、足元の水準から円高で見込む数値だ。

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