エンディングノートで書く3つの大事なこと 元気なうちに親子で終活をゆっくり話したい

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では絶対に書き遺すべきこととは? それは、「命」「おカネ」「友達」に関する3つのことです。

特に大切なのは、命にかかわる「病気になったらどうするか」についてです。大きな病気をしたとき、意識がしっかりしていれば、自分で治療方法を選択できます。しかし、意識障害に陥ったり、認知症だったりしたら、自分で判断したり、意思を伝えることができません。その場合は家族が医師と話し合って決めることになるので、あなたの思いどおりにいかない可能性があります。

もし自分の意思に反するような処置をされないためには、「延命治療はしないでほしい」「子どものために、少しでも可能性があれば治療に取り組みたい」「一日でも長く生きたい」など、意思を伝えておく必要があります。

私自身、もし大きな病気をしても治療は受けないつもりでいます。ただ、痛みを抑えるだけにしてほしいと思っています。そのことは、何度も家族に話しているので、よく理解してくれているはずです。自分の命のことは自分で決めたいですし、重大な決断を家族にさせるのは可哀想です。家族が困るって、嫌ですからね。

余命宣告されたら存命中に保険金がもらえることも

次はおカネについてです。「どの金融機関に口座があるか」「どの保険会社と契約しているか」は、絶対に書いておきましょう。

それがわからないと、家族は金融機関に片っ端から問い合わせなければなりません。それは想像以上に大変なことです。故人の資産を金融機関に照会するには、法定相続人全員の合意書が必要です。取引があるかわからない金融機関にまでそんなことをするのは、かなりの手間です。

保険についても、加入していることを知らなければ請求できません。生命保険には、余命6カ月以内と診断されたときに、死亡保険金の一部、もしくは全額を生きている間に受け取れる「リビングニーズ特約」が付いている場合があります。がん治療の副作用で起こる脱毛のためのウィッグを作ったり、マッサージや健康保険が利かない治療を受けたり、旅行に行ったりするのにも使えます。

こうした使い方についても、加入している保険の詳細と一緒に記載して、保険証券の保管場所を伝えておきましょう。これも、自分のためになりますね。

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