米国「焼酎ウイスキー」を笑えない日本の現状 酒造会社がウイスキー免許に殺到するワケ

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なお、常楽酒造は2017年4月に上場会社のジャパン・フード&リカー・アライアンスが傘下に収めている。

焼酎さえジャパニーズウイスキーにしてしまう米国だが、笑い話で済まそうにも、日本のウイスキー業界の現状はもっと深刻だ。

日本が、世界5大ウイスキー産地の1つ(ほかは米国、英スコットランド、アイルランド、カナダ)に数えられるようになって久しい。

折からのハイボールブームもあり、サントリーグループやアサヒグループホールディングス傘下のニッカウヰスキーなど大手は一部の主力製品の出荷を制限したり、販売を終了したりしている。「売れ筋なのに、海外で人気の年代物の高級ウイスキーはほとんど入荷できない」(酒販店大手のやまや)状況が続く。

こうしたウイスキー人気にあやかろうと、この3年ほどで焼酎や日本酒のメーカーを中心に15社がウイスキーの製造免許を取得。著名なところでは日本酒「八海山」を手掛ける八海醸造(新潟県)や地ビール「常陸野ネスト」で有名な木内酒造(茨城県)も製造免許を取得した。

木内酒造はまだ発売には至っていないものの、「地元の農家にビール麦の生産を委託しているが、規格に合わず使えない麦も多い。ウイスキー用になら転用できる」と同社の谷幸治製造長は話す。中には本坊酒造(鹿児島市)が手掛ける「マルスウイスキー」のように、「1980年代にブームが下火になったため生産を休止していたが、再参入した」(マルス信州蒸溜所の竹平考輝所長)ケースもある。

ところがスコッチやバーボンに比べて、日本のウイスキーの規制は決定的に緩い。たとえば出荷前の瓶詰めさえ国内で行えば「国産」と表示ができる、ウイスキーには原材料の原産地について表示義務がない、醸造アルコールやスピリッツのブレンドが製品全体の9割まで認められている、といった具合だ。

炎上した「倉吉」事件

またどういった原料や製法を使えば「ジャパニーズウイスキー」と名乗れるかは、法的にも業界団体としても、ルールがない。そのため、首をかしげざるをえないような製品も存在している。

左から常楽酒造が原酒を製造する「KIKORI」、松井酒造の「倉吉」、サン.フーズの「富士山」(記者撮影)

2016年、ウイスキーファンや業界関係者の間で話題を集めたのが、松井酒造(鳥取県)が製造・販売するウイスキー「倉吉」(くらよし)だ。

倉吉はラベルに「メード・イン・ジャパン」、「倉吉蒸溜所」と製造元が明記されていたが、「輸入原酒も使用している」(松井酒造)という状況だった。そのため、「いかにもジャパニーズウイスキーらしいラベルなのに輸入原酒が使われているのは問題ではないか」という指摘がウイスキーファンから相次いだ。

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