トランプ大統領、税金巡ってアマゾンを口撃 「何千もの小売業者を破綻に追いやっている」
売上税を回避しようとしているとの批判を受けてきたアマゾンだが、昨年4月以降、売上税を徴収する全45州において、同社の直販商品に対し同税の徴収を自主的に開始した。だが、同社通販サイト「マーケットプレイス」を使用する第3者の小売業者の税金を集める義務はない。
そうしたことが、トランプ大統領の怒りの一因となっている。
ワシントンとペンシルベニア両州は最近、第3者の小売業者の売上税を徴収することを義務付ける法律を制定。他州もこれに倣うとみられる。
だが金融関係者は、そうした懸念をあまり気に留めていない。
「第3者の小売業者に課税する規則ができた場合、それは誰に対しても適用されるわけで、アマゾンの立場は今と変わらない」と、フェデレーテッド・インベスターズのポートフォリオマネジャー、スティーブ・キアバロン氏は語る。
アマゾンに責任があるのか
また、米郵政公社(USPS)の赤字に対し、アマゾンに責任があるかどうかは不明だ。アマゾンからUSPSへの支払い額は、小包を配送するのにアマゾンが米物流大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)<UPS.N>やフェデックス<FDX.N>に支払うであろう額の半分程度と、ウォール街のアナリストは推定する。
アマゾンからUSPSへの支払いの詳細は明らかにされていない。USPSはトランプ大統領のツイートに関しコメントを差し控えた。
「アマゾンがUSPSを必要としている以上に、USPSはアマゾンを必要としていると考えるのが普通だろう」と、スティーフルのアナリストらは今週、リサーチリポートにこう記した。
ショッピングセンターではなくインターネット上で買い物する人が増える中、多くの実店舗閉鎖や一部チェーンの倒産にアマゾンが寄与していることは間違いない。だが、多額の負債など他の要因もある。したがって、アマゾンだけの責任ではない。
「確かに、アマゾンは多くの小売業者を倒産に追いやった」と、ウェドブッシュのアナリスト、マイケル・パッチャー氏は言う。「それはウォルマートも同じだ。スターバックス、バーンズ・アンド・ノーブル、クローガーや他のスーパーマーケットも、小規模店からシェアを奪っていることに変わりない」
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