糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題 マウス実験では「ヒトの健康」はわからない
研究者の皆さんにおかれましては、「薬物の動物実験」と「食物の動物実験」はまったく意味が異なることを認識してほしいと思います。
この辺のことは厚生労働省も認識されているようで、私のブログに中嶋一雄先生(医師)から次のようなコメントをいただきました。
「厚生労働省の食事摂取基準に引用された文献は、すべてヒトの研究論文です。私が読んだ限り、動物実験の論文は一切引用されていません」
今回のマウス実験の発表は、東北大学大学院の医学系研究科ではなく農学研究科によるものであること、JAグループの広報紙ともいうべき日本農業新聞の記事であることなども割り引いて考える必要があるのかもしれませんが、少し乱暴だったという感は否めません。
糖質制限食こそが老化を防ぐ
なお、私、江部康二は現在68歳です。まさに日本農業新聞の記事のいう「60代後半から老化が顕著」にピッタリの年齢です。
しかし、52歳から続けているスーパー糖質制限食のおかげで、現在も皮膚の若さは52歳相当と好ましい状態です。このほか、
歯はすべて残っていて、虫歯はありません。背は縮んでおらず、夜間の尿もありません。目は裸眼で広辞苑が読め、聴力も低下していません。階段は駆け上がります。
一般に老化現象と言われる事柄に関して私の場合、スーパー糖質制限食で、かなり好ましい状態が維持できているのだと思います。京大医学部時代の同期生たちからは、私だけ「(良い意味で)異常だ」と言われているくらいです。
こうした糖質制限によるアンチエイジング効果は、多くの実践者から報告されております。血色が良くなるなど、若返り効果もよく聞きます。糖質制限により血行が良くなることなどから、さまざまな病気の予防改善効果も期待できます。
逆に、糖質の取りすぎは健康寿命を縮めると報告されており、一流医学雑誌『ランセット』にも「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という記事が出たことについては、昨年10月3日の記事(「糖質制限」論争に幕?一流医学誌に衝撃論文)でご紹介しました。『週刊新潮』のタイトルとはまったく逆に、糖質を制限しないと「老ける」「寿命が縮まる」というのが国際的な新常識なのです。
全世代について言えることですが、特に50代以降の健康維持の鍵を握るのは「糖質制限」だと言っても過言ではありません。
皆さまにおかれましても、自信を持って正しい糖質制限食を実践していただきたいものだと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら