ポルノ女優、「トランプとの不倫」暴露の衝撃 脅されながらも「正義」の鉄槌を下した

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その最中、トランプは長女イヴァンカの話をし始めた、とダニエルズは言う。「君は素晴らしい。娘を思い出すよ」「賢くて美しくて手ごわい。君が好きだ、好きだ」。

コンドームは使ったのか司会者が聞くと、「いいえ」と、ダニエルズは答えた。「頼みもしなかった」。

ダニエルズが家族のことを尋ねると、トランプは肩をすくめ、「心配しなくていい。妻とは寝る部屋も別々だ」と答えたという。

ダニエルズは2011年にもこの関係をメディアに話そうとした。だが幼い娘を連れてジムに行こうとしたとき、ラスベガスの駐車場で見知らぬ男に声をかけられた。「トランプに構うな。雑誌には喋るな」と、男は言った。最後に覗き込むように女の子を見て、「きれいな子だ。ママの身にもしものことがあったら大変だな」と言ったという。

今回のインタビューに応じたことで、ダニエルズはトランプから巨額の支払いを求められる可能性がある。今年1月に報じられたところでは、ダニエルズはトランプ側から13万ドルの口止め料を受け取っている。関係を口外すれば1回につき100万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしているのだ。

危険を冒して話したわけ

ダニエルズも訴訟を起こしている。大統領選直前の2016年10月に彼女が署名した口止め合意は、トランプ本人の署名がないから無効だと主張する。

危険を冒してもあえて告白したのは、事実をはっきりさせるためだとダニエルズは言う。

「みんな私について好き勝手に言っている。黙っていても全然構わなかったけど、嘘つき呼ばわりされたり、カネ目当てと言われるのが嫌だった」

セクハラを告発する「#MeToo」運動の一環なのか?と聞かれると、ダニエルズは違うと言った。「私は(性的)被害者ではない」

同じく60ミニッツに出演したダニエルズの弁護士のマイケル・アベナッティは、この話は後に大統領になる男とポルノ女優の情事、という次元を遥かに超えたものだ、と言った。

「隠蔽に次ぐ隠蔽だ」と彼は言った。「トランプと彼の顧問弁護士を務めるマイケル・コーエンは、彼女を黙らせ、言いなりにするために脅迫する手段に出た。これは権力者による暴力だ。アメリカの民主主義にそんなものが入る余地はない」

(文:ジェイソン・ルミエール/翻訳:河原里香)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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