日本人が英語の成績が良くても話せないワケ

今の教育では英語は身に付けられない

“Do you have a watch?”(時計持ってる?)

“Yes, it’s almost twelve. Do you want to have lunch together.”(うん、もうすぐ12時だよ。お昼いっしょに食べない)

“OK. What do you want to eat?”(いいよ、何食べる?)

“I’d like to eat curry rice. How about you?”(カレーが食べたいな。君は?)

“Sounds good! I’d like to eat green curry.”(いいよ、グリーン・カレー食べたいな)

“Me too. Speaking of green curry, my brother visits Thailand next month for business.”(グリーン・カレーといえば、うちの兄貴、来月タイに出張なんだってよ)

“Wow, he will visit Thailand? That’s great!”(へえ、兄さんタイに行くの? いいなあ)

判を押したように全員で“I’m fine, thank you.”

時計の話からタイの話へ。こうして、思いもよらない話題に発展していくのが対話です。このように思わぬ展開があるから会話が弾むのであって、次の話の展開が事前にわかったら、その相手との会話はけっして楽しくないでしょう。ましてやそこから恋愛などは生まれません。

学校で一生懸命勉強した、成績も良かったのに英語が話せないのは、自分の言葉として英語を身に付けてこなかったからです。さらには、人とやり取りをしながら英語を身に付けてこなかったからです。

たとえば、小学校英語活動でよく見られる最初の挨拶は、教師が”How are you?”(元気ですか?)と子どもたちに尋ね、“I’m fine, thank you.”(はい、元気です)と子どもが答えるパターンです。けれども、ある子は今朝、母親に叱られて家を出てきたので、気持ちは決して”fine”ではない。

それなのに挨拶ではみんないっしょに、それも大きな声で、“I’m fine, thank you.”と言うことになっている。1人ひとり尋ねてくれて、“I’m not good because ...”などと話しを進めていくことができたなら、自分の言葉として英語を発することができるかもしれません。

これまでの学校でのコミュニケーションを意識した英会話の多くは、自分の気持ちや状態を表すものではなく、“How are you?”の答えは、自分の状況がどのようなときでも、“I’m fine.”でしかありませんでした。また、言葉をテキスト上で学ぶだけで、人とやり取りをして学ぶことがないため、“Do you have a watch?”に対する答えは、“Yes, I do./No, I don’t. ”でしかないのです。

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