44歳独身貴族女性が親の死後味わう極貧生活 年収1億円のリッチな家で育ったのになぜ?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ある日、病院から「あなたのお父さんが脳梗塞で倒れて入院することになった」と連絡が来たのです。そこで、母親と病院にかけつけたところ、医師から「長期的な治療が必要」との説明を受けました。そのとき、父親は一命を取りとめたものの、糖尿病や肝臓病などほかの病気も併発。治療のため、費用が膨れあがってしまったのでした。しかも入院した病室は、1日約5万円もする個室でした。

でも、C子さんは「うちは収入も貯蓄もあるし」と、さして気にもとめていなかったのです。そもそも今まで家計のことなど、まったく気にして生活してきませんでした。それでも「少しは聞いておいたほうがいいかも」と思い、母親に確認したところ、「実は貯蓄はまったくないの……」というショッキングな答えが返ってきたのでした。

母親は「かなり危ない家計」だったことを知っていた

C子さんの父親はかなりの高収入でしたが、一方でおカネ遣いもかなり荒かったそうです。よく高級なジュエリーやバッグを買ってきてくれたそうです。しかも銀座の高級クラブに通っては、1日で数十万円のおカネを使ったり、何人かの「愛人」にも貢いだりしていたそうです。母親はその事実を知りながらも、家庭生活の維持のために、自分の胸の中にぐっと収めていたそうです。

また、困ったことに、父親は生命保険などには加入していませんでした。当然ながら、治療費は健康保険が適用になる分を除いては、全額自分たちで負担しなければならなかったのです。

C子さんは父親の治療費が払えないなどとは、思ってもみませんでした。病院に支払いを待ってもらっている間に、父親は体調が急変、亡くなりました。

前述のように民間の保険には加入していなかったので、当然、父親の死亡保険金もありません。また、家も住宅ローンが残っていました。このローンについては保険が適用されて返済が免除になりましたが、結局、売却しても手元に現金はあまり残りませんでした。

このように、父親が元気で収入があるうちは良かったのですが、病気になり亡くなってしまったことで、一気に問題が明るみに出たのです。

次ページC子さん親子には、何が欠けていたのか
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事