「チバニアン」商標登録に登場した意外な企業 土産品ゼロ?商標、権利は誰の手に…
約20分かけてチバニアンの“入口”である施設・田淵会館に到着すると「4150円です」と、運転手の声。昨年11月から今年の1月末まで、市原市が月崎駅から無料シャトルバスを運行していたときは、1日数百人の見物客が訪れていたという。バスが終了した今となっては、公共の交通機関では「気軽に」とは言い難い。
田淵会館の敷地を横切って数百メートルを下ると、川に近づくにつれて足場が悪くなる。市によって急きょ作られたと思われる手すりがありがたい。そして流れる二級河川・養老川に沿い、パノラマのように広がった地層が顔を見せる。これがチバニアンだ。
水を含んだ滑る粘土質の地面を慎重に、お気に入りのスニーカーを濡らしながら歩いた。数名いた先客の中には、しっかり長靴を履いた用意のいい見物者の姿も。記者も並んで「あぁ、あそこか」などと、地層を見上げて知ったかぶりを決め込んでいると、後からカップルがやってきた。
「話題になっているじゃないですか? 天気も良かったんでドライブがてらに来てみたんですよ。今なら空いているんじゃないかって。川沿いで癒されるし、パワースポットという感じがしますね!」
川崎市内から東京湾アクアラインを通り、寄り道をしながら約2時間かけて運転してきたという男性。そのそばには男性の腕をつかんで恐る恐る歩く女性。まさかデートでチバニアンに来るとは思わなかったのかもしれない。足元はヒールだった。やはり推奨されている長靴、もしくは汚れてもいい運動靴を持参したほうが無難だ。
「チバニアン土産」を道中で見かけない
帰りは行きの“出費”を反省しつつ、今度は最寄りの月崎駅まで徒歩で向かう。山の景色を見ながら歩いたため、途中で道を間違えそうになるが30分もかからなかったかもしれない。すっかり花粉にはやられてしまったが。
帰りの上り電車を待つ間、月崎駅前に唯一ある商店の女性店主に話を聞く。
「もう少ししたら駅の周りの桜が咲いてね。よくテレビなんかの取材も来るんだよ。(チバニアンの影響は?)すごかったね。
ただ道を聞かれたりしたけど、あまり(商売の影響は)なかったかな。(チバニアン土産は?)何か“置いてくれ”と言われたら考えるけど、まだ何もないよ」