インデックス投資の長期戦で損しないコツ 株価連動商品、暴落に動じる必要はない

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拙著『お金は寝かせて増やしなさい』では15年間のインデックス投資実践記を初公開しましたが、2008年のリーマン・ショックのときは、米国株式市場が直近のピーク時から大底までに55%もの下落をしました。ざっくり言って1年で資産が半分になる大暴落を体験したわけです。

ところが、翌年の2009年3月9日を底に、相場は奇跡のV字回復を始めます。ポートフォリオも+29.5%に回復しました。しかし、2010年のギリシャ・ショックを経て、2011年には東日本大震災が列島を襲います。

2012年、悲惨だった前年をなんとか乗り切り、安倍政権が誕生し、経済政策「アベノミクス」が打ち出され、ここで長らくマイナス状態に推移していた損益が元本を回復しました。続く、2013年の「黒田バズーカ」炸裂で、市場が株高・円安となり、相場低迷時に安値でコツコツ仕込んでいたインデックスファンドが火を吹き、一気にプラス方向に駆け上がりました。

まさにジェットコースターのような15年でしたが、「100年に一度」と言われたリーマン・ショック、「1000年に一度」と言われた東日本大震災のあと、わずか2~3年程度で回復する株式市場のしぶとさと、積み立て投資の威力を体感しました。

インデックス投資を15年間実践して、相場の天国と地獄を両方経験してわかったことは、①相場が永遠に下がり続けることはない、②インデックス投資家の仕事は「売りたくなったときに我慢する」ということです。

リーマン・ショックのときに市場から撤退した人は、その時点でジ・エンド。その後の市場回復の恩恵を受けることはできないわけです。

投資は孤独な道のり――なにを信じればいいの?

「100年に一度」と言われたリーマン・ショックのような大暴落に遭ってしまったとき、目の前で自分の資産がどんどん溶けて目減りしていくのを見ながら、はたして積み立てを続けることはできるでしょうか?

インデックス投資は始めるのはカンタンでも、続けるのは意外と難しいのです。

リーマン・ショックのとき、私がブログで相互リンクして懇意にさせてもらっていた30ほどのブログのおよそ半分は、その後更新が停止したか、もしくは、インデックス投資をやめて怪しい投資法に鞍替えしてしまいました。

インデックス投資は簡単で手間がかからない投資法ですが、今後何十年も継続するためには、なぜこの方法でリターンが得られるのかという本質的な部分を十分に理解して、腹に落とし込んでおくことがとても重要です。
ここで質問です。

米国で1801年に株に投資した1ドルは、200年後に実際にいくらになったと思いますか?

「10倍?」

「100倍?」

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