スバル、「きちんとけじめ」で役員陣を刷新

吉永新会長「2トップになる気はない」と断言

 3月2日、SUBARU(スバル)は、中村知美専務執行役員(58、写真右)が社長兼最高執行責任者(COO)に昇格し、吉永泰之社長(63、同左)は代表権のある会長に就く人事を発表した。(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 2日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>は2日、中村知美専務執行役員(58)が社長兼最高執行責任者(COO)に昇格し、吉永泰之社長(63)は代表権のある会長に就く人事を発表した。6月の株主総会後に就任する。昨年10月に発覚した無資格者による完成検査や燃費データ書き換え疑惑などの問題にけじめをつけ、新たな経営体制で信頼回復を図る。

社内取締役6人のうち近藤潤会長(67)、最高技術責任者(CTO)の日月丈志専務執行役員(63)、製造部門を担当する笠井雅博専務執行役員(63)の3人も退任する。

吉永社長は会見で、もともと経営陣の若返りが必要との判断から、問題発覚前の昨年9月末に退任の意思を固めていたが、不正の責任をとるために今回の判断に至ったことを明らかにした。また不正発覚後に近藤会長ら3人からも辞任の申し出を受けた。一方、新社長に中村氏を選ぶことは4人が一致していたという。

吉永社長は一連の問題を謝罪した上で、経営陣刷新で「きちんとけじめをつけたい」と述べた。調査中のため詳細への言及は控えながらも、燃費データ書き換えについては「行われていたと捉えている」と不正を認めた。書き換えは「品質に影響のない範囲」としたが、問題の根は深く、「本当に大反省だ」と語った。3月末までに最終的な調査内容を報告する。

吉永氏は社長退任後も2012年から務める最高経営責任者(CEO)の職は今後も続け、不正の再発防止や品質管理の強化に取り組む。代表権のある会長兼CEOとしてとどまる理由について吉永社長は、問題から逃げずに対応することが責任の取り方との考えに至ったと説明した。

中村新社長は米国事業を担ってきた人物

新社長となる中村専務は現在、同社の屋台骨である米国事業を担い、米国現地法人スバル・オブ・アメリカの会長も務める。吉永社長は、中村新社長と「2トップになる気は全くない。私は残された仕事に取り組み、邪魔にならないよう連携していきたい」と語った。中村氏は「軸をぶらさず、自分の新たな視点を加えた経営戦略を考えたい」と述べた。

吉永社長は11年6月の就任から約7年で売上高を倍増させたほか、軽自動車の生産から撤退するなど事業の選択と集中を実施。「運転支援システム「アイサイト」を自社の強みに育て、昨年4月には社名の「富士重工業」をブランド名の「SUBARU」に統一するなどブランド力向上も推し進めた。

だが昨年10月、国内工場で資格を持たない検査員が完成車検査に携わっていた問題が発覚。同年12月には出荷前の新車の燃費データを書き換えた疑いも浮上し、調査中にある。同社は今夏をめどに新体制下で最終策定する中期経営計画も発表する予定。

中村専務は1982年に富士重工業(現スバル)へ入社。2011年に執行役員、14年に常務執行役員となり、16年から専務執行役員。東京都出身。

(白木真紀)

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