五輪スケート「歌付き曲解禁」はよかったのか それでも羽生結弦は器楽曲にこだわった

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地元開催にもかかわらず、Kポップを使う予定の韓国の選手は皆無だ。「(Kポップは)アイスリンクには合わない」と、韓国のコーチ、チ・ヒョンジュンは言う。「韓国人にしか歌詞の意味がわからない」。

米アイスダンスのマディソン・チョックとエバン・ベーツ組は、ジョン・レノンの「イマジン」の理想主義的な歌詞で混乱する米国内政治や国際政治に異議を唱える。

改正の際に上がった懸念の声

「左にも右にもくみしなければ、さらなる平和や希望、繁栄がもたらされる。今のような時代には、この種のメッセージは政党に関係なく誰にでも歓迎されると私は思う」とチョックは言う。

ボーカル曲を認めるルール改正が行われた際、多くの連盟関係者やコーチ、振付師から(中には選手からも)懸念の声が上がった。クラシック音楽という基礎の上に築かれたフィギュアスケートという競技の陳腐化を恐れたのだ。

世代格差の反映かもしれないが、今でも一部の人々は納得していない。「歌詞がたくさん付いていると、真に芸術的な感動が失われてしまうと思う。子供の好む曲があって、『その曲に合わせて滑ってみよう』というだけの話になってしまう」と言うのは米国のベテランコーチ、フランク・キャロル(79)だ。キャロルは2010年のバンクーバー五輪で金メダルを取ったエバン・ライサチェックを指導したことでも知られる。

とは言えフィギュア関係者の多くの反応を代表しているのは、「思っていたほどたいした問題ではなかった」という国際スケート連盟のアレクサンドル・ラケルニク副会長の言葉だろう。

バレエの影響を強く受け、1964年以降、1回を除いてすべての大会で金メダルを獲得しているロシアのペアの選手たち(今大会は組織的ドーピングの問題により、『ロシアからの五輪選手』=OAR)でさえ、ポップスを採用するようになっている。今大会、ロシアは選手団を送り出すことはできないが、一部の選手はOARとして出場することが認められている。

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