陸自の攻撃ヘリ部隊は、すでに瓦解している

墜落事故を機に長年の課題に向き合うべきだ

現在、陸自ヘリの稼働率は、公表はされていないが、関係者によると平均で6割程度という。これは整備予算が減らされていることが大きいという。飛行時間も10年ほど前は年220時間程度だったものが、現在では年120時間程度に減らされているという。飛行時間が減ることは搭乗員の技量が落ちるということだ。

のみならず整備の頻度も減るので整備員の練度も低下することを意味している。その分事故が発生する可能性は増大する。また複数の関係者によるとスバルのIRAN(Inspection and Repair As Necessary:機体定期修理)に出すと、悪くなって返ってくるという証言もある。

AH-64Dのメーカーサポートは2025年で終了

しかもつねに災害派遣という「実戦」に投入される可能性がある汎用ヘリの稼働率維持が優先され、戦闘ヘリや偵察ヘリの稼働率は後回しにされる傾向がある。

その上、AH-64Dのメーカーサポートは2025年で終了する。さらに2019年頃から部品の枯渇が始まる。米軍や主要ユーザーはE型に移行しているので痛くもかゆくもないが、D型を使用している陸自の機体は、全機とも射撃が不可能になるなどの障害が出る可能性が高い。部隊としての戦闘力はさらに低下するどころか、2025年を待たずに、まったく稼働できない事態すら推測される。

このような部隊を多額の税金を投じて維持を続ける合理的な意味はない。たとえばまったく使用されない空港や道路を巨額の費用をかけて建設し、これまた多額の費用と人員をかけて長年維持するようなものだ。単に税金の無駄遣いでしかない。

その揚げ句に民間を巻き込んで事故を起こしてしまった。命を落とすことになった現場の隊員にとっては、大きな悲劇だ。10機で調達を諦めた段階で、全部廃棄して部隊を解散し、他のリソースにつぎ込んだほうがよかったのではないだろうか。

ヘリ部隊はほかにも問題を抱えている。本来AH-64Dで更新されるはずの旧式攻撃ヘリ「AH-1S」も問題だ。AH-1Sは90機調達されたが、現在残っているのは半分の45機程度で、しかもどうにか稼働している機体はそのうち3分の2程度であるという。

稼働率が低いだけでなく旧式化したAH-1Sの対戦車ミサイルは命中するまで1分以上空中に停止してミサイルを誘導しなければならず、今日では生存性が極めて低い。だがAH-1Sは近代化も、延命措置や近代化は行われておらず、これまた多額の費用をかけて部隊を維持する必要性は極めて低い。赤字を垂れ流すだけのAH-1Sの部隊もすぐさま解散するべきだ。

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