平壌の住民は、あらゆる物を入手できている

スイス援助機関職員がみた「北朝鮮の現実」

フィスラー氏は全体として、北朝鮮滞在中、同国を理解することが大変だったとの認識を示した。同氏がかつて務めたミャンマーやアフリカ諸国といったほかの発展途上国と比べ、北朝鮮での4年間にはどのようにして物事の仕組みが機能しているのかについて、いまだ答えの見つからない疑問がたくさんあるという。

NKニュースによるインタビューの内容は次のとおり。

衛星放送で100以上のチャンネルを視聴できる

NKニュース:北朝鮮での滞在員としての生活はどうでしたか。

フィスラー:滞在期間中のおよそ3分の1から4分の1は、事業計画推進のために各地に赴いていました。ただ、冬の期間は地方に行くのは大変でしたので、赴いていません。残りの滞在期間はほとんど事務所でオフィスワークをこなしていました。

式典のいくつかに出席したり、関係機関との調整会合に臨んだりしていました。そして、人道支援の状況についての情報を得たり、与えたりもしていました。

NKニュース:北朝鮮では自由時間もあったと思います。現地で生活していて、何か限界というものがありましたか。

フィスラー:明らかなことではありますが、平壌でできることは大してありません。「映画を見に行こう」とかそのようなことを気軽に言える場所ではありません。

しかし、今では、外国人すべてがインターネットへのアクセスができ、インターネットを通じて、情報を得ることができます。スカイプやワッツアップメッセンジャーも使用でき、家族や友達と交信することも可能です。これは重要な点だと思います。

そして、衛星テレビもあります。私は100チャンネル以上の韓国製の衛星放送受信アンテナを所有し、何ら問題が起きませんでした。そして、少しばかりのスポーツもできます。サイクリングに行ったり、水泳をしたり、テニスをしたりです。

NKニュース:韓国製のパラボラアンテナですか。

フィスラー:そうです。その名前は忘れてしまいましたが、韓国製のパラボラアンテナやサービスです。中国を通じて、私たちはそれらのアンテナとデコーダーを入手しました。サービス加入への支払いは、(中国・遼寧省の)丹東のディーラーを通じて行われたと思います。

アンテナ1つと複数のデコーダーを使うことができます。しかし、テレビ1機につき、デコーダーは1つです。そんなに数は多くありません。6、7人がそのアンテナを持っていたと思います。価格はそんなに高くありません。セットアップ料金は約500ドルで、年間サービス料は約100ドルから200ドルです。

サービスには、韓国のテレビの1チャネルではなく、100以上のチャンネルすべてが視聴できます。もちろん私は韓国語がわからないので、韓国のチャンネルは見ませんでした。しかし、10から15ほどのスポーツチャンネルとBBC、CNNインターナショナル、CNNのUS版が見られました。すべてそこで見られるのです。

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