外国人が心底パニクる複雑怪奇な日本の鉄道 急行、準急、通勤特急・・・って何!?

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・・・・・・とここまで一気にほめたが、日本の鉄道は完璧なわけではない。

たとえば、人混みは外国人観光客がしばしば戸惑うものの1つだ。アメリカ生まれの人間から見ると、日本を実際に訪れる前の日本に対するイメージは、規則を非常に重んじる人々が暮らす国というものだった。

普段大人しい日本人が突然・・・

しかし、たとえば東京の混雑する場所では、人々の行動は無秩序に見える。通勤者は目的地につくまでやみくもに前に突き進み、お互いの体があちこちでやたらとぶつかり合う。駅では、ホーム上ではほぼ全員が規則正しく並んでいるが、ラッシュアワー時に列車のドアが開いたとたん、一斉に空いた席や車両の角の快適な隅っこに突進していき、駅員が後ろから乗客を詰め込む。大人しい日本人が突然、攻撃的になる瞬間に外国人は驚く。

最近ではわざわざラッシュを「体験」しにくる外国人観光客もいるようだが、一般的に言えば、パーソナルスペースを重んじる国の人々にとっては、これは不快でしかない。

日本では鉄道運賃もかなり高い。多くの欧米諸国と異なり、日本の鉄道会社は、会社名に「日本」が付くJRを含め民営で、線路などの設備も自社所有となっているから、国からの補助はほぼない。高い運賃の分だけサービスの質は高く、これは日本の居住者にとっては歓迎すべきことかもしれない。しかし、短期滞在の観光客にとっては、特に特急や高速新幹線は便利な一方で、その運賃の負担は大きい。

ただし、外国人観光客であれば「ジャパン・レール・パス」のような割引運賃のパスを購入することが可能で、出費を抑えたい旅行には大いに役立つ。

ここ最近気になるのは、外国人に対する駅員の態度である。確かに、駅員の業務は過酷で賃金に見合わないものであるかもしれない。加えて、日本語を話さない(もしくは話そうとしない)外国人観光者が日本に押し寄せている近年の状況は、明らかに日常的にやっかい事を生み出している。

次ページ駅員の気になる態度とは・・・
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