まだある!マンション「共用部」が超絶進化 「住むだけで健康になる」物件も登場
マンションの開発者である野村不動産住宅事業本部の東伸明課長は、開発に先立って、近くの商店街を含め近隣1000軒以上を訪ねた。そして、この地域の来歴や課題など話を聞いて回ったという。課題の1つに挙がったのが、最寄り駅である京浜急行本線「雑色駅」周辺に図書館も書店もないことだった。
一方で、東氏はまったく別件でブックオフの担当者と話す機会があり、同社がお客が来るのを待つ営業形態を変えたいという思いを持っていることを知った。マンションと書店のニーズ。それらを合わせてライブラリーはできた。
東氏の構想はこれで止まらない。ブックオフは100%のリユースを目指す会社で、家電製品のリユース品も扱う。いずれは家電関連まで取り扱いを拡大し、生活の幅を広げることを狙う。「マンションを軸にこうした企業連携ができれば、他の物件にも応用できる」(東氏)と、早くも次の物件に向けた構想が膨らんでいるようだ。
「住むだけで健康になる」マンション
「ハードだけを提供して、後は住む方の自由にしてくださいとすると、飽きられるのも早い。作り上げたハードをいかに活用できるか、仕組みが重要だと思う」。そうしみじみと語るのは、大和ハウス工業マンション事業推進部の瀬口和彦・商品企画グループ長だ。
約3万5000平方メートルの敷地に開発されている総戸数914戸の「プレミスト湘南辻堂」は、湘南エリアで最大規模の超大規模マンションだ。その出色な取り組みが、フィットネススタジオとIoT技術、AI(人工知能)を活用した「住むだけで健康になる仕組み」づくりだ。
マンションの外周にはキロポストが刻まれたウォーキングコースが設けられ、コースの各所にはストレッチなどができる健康器具も配されている。さらに敷地内には、スポーツクラブ「NAS」が監修したフィットネススタジオを完備している。
だが、これらの施設があるから「住むだけで健康になる」わけではない。「運動しなきゃ」と思わせる仕組みが組み込んであるのだ。
入居時には、全戸にリストバンド型のウェアラブル端末が配られる。一方、敷地内には各所にセンサーやデバイスが敷設されており、マンション内でウォーキングやランニングをしたり、フィットネススタジオで汗を流したりしたときに、ウェアラブル端末を通じて、活動量がクラウドサーバー上に記録されるのだ。
そして記録された運動データを基にAIが個人ごとの運動量を解析。「フィットネスジムであと10分、エアロバイクを漕いだほうがよさそうです」など、その日の運動量に応じて細かいアドバイスを受けられる。
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