中国でフェイスブック、ツイッターが解禁? 上海で解禁も「後の祭り」か

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SNSの2大サービス

テンセントのソーシャルメッセージアプリ「WeChat」は、同国のスマートフォン利用者の半数以上に当たる2億3600万人のアクティブユーザーを持つ。中国版ツイッターの微博(Weibo)の登録ユーザー数も昨年時点で5億人を超えている。

WeChatはグループ通話のほか、ゲームやボイスメッセージの送信、オンライン決済なども可能。テンセントは、この人気アプリでライバルを抜き去り、今月には株式時価総額が1000億ドルに達した。

フェイスブックは、昨年に新規株式公開(IPO)の目論見書で、中国での市場シェアはほぼゼロだと説明。また、最近の調査によると、同国でのツイッターのアクティブユーザー数は5万人余りだという。両サービスへのアクセスは、ネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」を迂回できる仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用できる人に限られている。

CICのフレミング氏は「Weiboはツイッターに似た機能を持つが、中国における役割はニュースや情報などを広めることで、それが非常に重要だ」と説明。同国ではWeiboが「ツァイトガイスト(時代精神)であり、井戸端会議の場所でもある」との見方を示した。

風説の取り締まり

フェイスブックやツイッターのようなサービスが中国に参入する際の大きな課題は、当局による検閲問題にどう対処するかだろう。オンラインメディアへの締め付けを図る中国当局は、ネット上への風説の書き込みを厳しく取り締まり、影響力のある著名人を過去に何人も逮捕してきた。

「フェイスブック 若き天才の野望」の著者デビッド・カークパトリック氏は、「フェイスブックは中国参入のため、他国では行わない幅広い妥協をすることになるだろう」と予想。同氏は、中国人のブランドを好む性質や世界とつながりたいという欲求から、フェイスブックは利用者を引き寄せると語った。

株式時価総額1180億ドル、アクティブユーザー数が世界で11億5000万人のフェイスブックに対し、同様のサービスを提供するレンレンは、ユーザー数が6月時点で5400万人。株式時価総額は13億ドルに届いていない。

一方、ユーザー数2億人、推定企業価値約150億ドルのツイッターは、中国国外から情報やコンテンツを提供できるものの、中国語によるものはほとんどない。

結局、中国で外資系SNSを解禁する影響は、それが上海のFTZより規模が大きくても、限定的なものになりそうだ。

カークパトリック氏は、「その影響は主にグローバルな視点を持つ人や海外とのコミュニケーションが必要な人に限られそうだ。ほとんどの中国人はWeiboやWeChatの代わりとして乗り換えることはないだろう」と話した。

(ロイター日本語サービス 原文:Paul Carsten、翻訳:橋本俊樹、編集:宮井伸明)

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