JRの自然災害トラブルは私鉄よりも多いか? 新幹線も雪に悩む、鉄道各社を"徹底"比較

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では、JRの路線が被る自然災害を原因とする輸送障害は、ほかの鉄道事業者の路線と比べて多いのか少ないのか。今回は、国土交通省が毎年公表する「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」を基に、2016年度の大雨、大雪、強風などの自然災害を原因とする輸送障害の件数をランキング形式で並べてみた。輸送障害とは旅客列車が運休または30分以上遅延した事態を指す(旅客列車以外の場合は1時間以上)。JRについては在来線と新幹線を区別して掲載した。

まず、件数のランキングから。JR旅客6社およびJR貨物が1位から7位までを占めた。1位はJR東日本(在来線)の294件。2位はJR西日本(在来線)の173件、3位はJR北海道(在来線)の148件、4位はJR九州(在来線)の143件、5位はJR貨物の141件、6位はJR東海(在来線)の114件、7位はJR四国の37件である。各社とも営業エリアが広いだけにある意味当然の結果である。

東海道新幹線は雪が大敵

意外にも14位にJR東海(新幹線)が入っている。自然災害を原因とする輸送障害の件数は13件。その多くは米原・関ヶ原付近の雪による遅れや富士川の増水による運行規制によるものだ。

豪雪地帯の関ヶ原を通過するJR東海道新幹線。伊吹山の積雪量は世界一とされる(写真:railstar/PIXTA)

新幹線は安全に高速走行できるよう高規格で造られており、北海道新幹線や東北新幹線では万全の雪対策が施されているが、東海道新幹線では米原・関ヶ原付近の雪がネックとなっている。冬場、東京や大阪が好天でもこの付近では大雪という日も少なくない。当地にそびえる伊吹山は山岳地の積雪量世界一としてギネスブックに掲載されているほどだ。

雪が降る日に新幹線が高速走行すると、新幹線が巻き起こす風で線路に積もった雪が舞い上がり、車両床下や台車に着雪。これがしだいに大きくなって雪塊となり、落下した際の衝撃で線路の砂利(バラスト)を飛散させ、周囲に危険を及ばす。このため雪の日に米原付近を走る新幹線は徐行運転せざるをえないのだ。JR東海は除雪を行う専用車両を導入するなどの対策を取り、開業当初と比べ雪による遅延時間を大きく減らしているが、ゼロにするまでには至っていない。

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