子どもへの「パワハラ」に気づかない親の甘え

そのひと言、会社の同僚に言いますか?

親子の間では、このような理不尽なことが毎日起こっています。そして、親たちはそれを理不尽と思わないのです。冒頭で挙げた小林さんの上司の5つの特徴「1.感情的ですぐキレる 2.自分の都合や気分で言うことがころころ変わる 3.うまくいかないことは部下のせいにする 4.叱ってばかりで褒めることができない 5.上司にはへつらい、部下には威張る」がすべて当てはまる親がいかに多いことか……。

権力的な立場に甘えている

なぜこういうことになるかというと、親という権力的な立場に甘えているからです。子どもは弱い存在であり、親は圧倒的な権力者です。喩えていえば、鵜飼いの鵜匠のように、親たちは子どもたちの細い首をわしづかみにしています。締めるも弛めるも気分次第です。

親には「子どものため。しつけのため」という錦の御旗があるから平気なのです。でも、それはただの言い訳です。本当は相手が弱いからです。親は圧倒的な権力者であり、子どもは無力です。弱い相手を一方的に攻撃する……。これは親によるいじめです。親による子どもへの人権侵害であり、ハラスメントといっても過言ではありません。子どもをいちばんいじめているのはほかの誰でもない親です。親にいじめられている子は、弟や妹、あるいはクラスの弱い子をいじめます。親がいじめを教えているのです。

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学校や職場など、社会のあちらこちらでいじめ、ハラスメント、人権侵害が起こっています。ところが、今から数十年前までは、それが大きな問題であるとは認識されていませんでした。「人間関係があるところではあって当然のこと」くらいの認識しかなかったのです。最近になってようやく、それは許されないことだと認識されるようになりました。

ところが、いまだに親子の間では「あって当然のこと」くらいの認識しかないのです。子どもにひどい言葉をぶつける親たち、理不尽な振る舞いをし続ける親たち、彼らは誰1人として自分が子どもをいじめているとは思っていません。

もう次の段階に進んでいい時期です。「親のひどい言葉や理不尽な振る舞いもいじめなのだ。親であってもいじめはゆるされない」という認識に至るべきです。

本当に、子どもが叱られている姿を見ると悲しくなります。実につまらないことで親たちはよく子どもを叱ります。家で叱るだけでは足りなくて、楽しい旅行の最中にも叱ります。新幹線の改札口で叱られている子どもを見たことがあります。ついさっきまで、子どもはニコニコ笑顔いっぱいで幸せでした。そこへ親の冷たいひと言……。子どもから笑顔が消え、悲しみが広がります。満開の花が急にしおれるように、子どもはうなだれます。せっかくの楽しいひとときも台なしです。

あなたは、大人同士では言えないようなことでも子どもには言ってしまう、そういう人ではありませんか? もしそうだとしたら、それは何を意味するのでしょうか? それは、あなたはその程度の人間に過ぎないということを意味しているのです。あなたは強い者にはへつらい弱いものには威張る、その程度の人間に過ぎないのです。そういう意味で、子どもは親の真の姿を映す鏡なのです。

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