ジーンズメイト、「RIZAP流改革」の成否は? 看板一新や新PB投入で、既存店底上げに本腰

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かつてのジーンズメイトの店舗は、青色の角張った文字が特徴的だった(撮影:尾形文繁)

既存店は上向いているものの、今期の決算は冴えない。2017年12月末に発表された2018年3月期(RIZAPグループによる子会社化に伴い13カ月11日間の変則決算)の第3四半期決算は、売上高が63億円(前年同期は67億円)、営業損益が前期並みの4.4億円の赤字で着地した。

ジーンズメイトは経営効率化のため、期初時点では16店舗で実施していた24時間営業を2017年5月までにすべて廃止。夜間営業がなくなったことによる減収分を補いきれなかったうえ、店舗改装や商品開発などの構造改革に伴う費用がかさんだことも響いた。

会社側は改革効果での黒字化を見込み、通期で売上高115億円、営業利益3億円を計画する。そのためには残りの4カ月余りで7億円の営業黒字を計上する必要があり、目標達成のハードルはかなり高い。

ジーンズ不振をどう乗り切るか

一方、店舗改装と並行して、抜本的なコストの見直しにも着手する。今期は不採算店を中心に20店舗ほどを退店する計画で、特に苦戦を強いられてきた郊外のロードサイド店は近隣のショッピングセンター内に移転するなどして、ほぼ撤退する見通しだ。既存の店舗も家賃の値下げ交渉や人員配置の見直し、物流の効率化を進めており、これらの改革の成果は来期以降に貢献することが見込まれる。

もっとも主力のジーンズをめぐる情勢は、ファッショントレンドの変化に左右されやすい。エドウインやリーバイスに代表されるNB(ナショナルブランド)は売れ行きが低調で、今期も値引き販売を余儀なくされている。

ジーンズメイトにとってはPBの比率が高まれば、粗利益率が改善し、在庫管理の面でも仕入れのコントロールが利きやすくはなる。とはいえ、PBとNB両方の幅広いジーンズの品ぞろえを強みとする同社にとって、ジーンズ購入者の数自体を増やさないかぎり復活は程遠い。ジーンズを購入しない層にも訴求できる商品の仕入れ・開発や店舗づくりを実現できるかが、RIZAP流改革の成否を占うこととなる。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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