民放テレビの選挙特番は「池上模倣」ばかりだ

模倣が進み、一周回ってNHKに落ち着いた!?

そうそう、進次郎。「小泉進次郎氏に完全密着 走破!1万3000キロ応援旅」と題し、応援演説の合い間の休憩時間にホラン千秋が独占密着するもので、これがまあ、なんというか……。どこかで見たことあったぞと思ったら、「NEWS ZERO」で、当時キャスターだった小林麻央が市川海老蔵にインタビューした映像だ。「いつ誰とご結婚なさるのかなと」とホランが聞き、「その人が小泉進次郎の相手だっていうだけで、どれだけ嫌な思いをするんだろうかって思っちゃう」と進次郎。ホランに選挙特番イチの笑顔を見せていた。

公開ハニートラップ!?かどうかはわからないが、当選後の生中継でも、ホラン「その人気ぶりは私もこの目でしっかり見てました」、進次郎「いやホランさんのほうが人気あると思いますよ」、ホラン「いつもこうやってかわされるんですよ」。何やってんだか。

これを見た日テレ、次からは櫻井ではなく桐谷美玲を差し向ける予感。邪推はこれくらいにして、TBSの視聴率は5.5%と最下位。“報道のTBS”は遠くなりにけり、だ。

そんな親方TBSには頼ってられないと、系列局のMBS(毎日放送)の開票特番は、冒頭のタイトルこそTBSと同じだったが、その後同局が誇る2大番組のタイトルを冠したローカル特番「ちちんぷいぷい×VOICE」を放送。今回はなんと「めざせ当選!国会学園」と題し、国会を「学園」に例えて、アニメを駆使したカードバトルふうに当落を伝えるというぶっ飛んだ演出が話題になり、視聴率も横並びトップだった。

番組を全部見た感想は、見せ方こそ斬新だが、中身はきわめてオーソドックス。キー局が取り上げない地元の候補者にも光を当てる作りには好感が持てた。ゲストのなるみが、「子どもを寝かせなあかんから」と途中で帰ったり、政治は庶民のものという目線で作られているところがいい。池上の後塵を拝した“池上もどき番組”より、こっちのほうが支持されたのもわからなくない。後がないTBS、いっそMBSに逆乗りしてみてはどうか。

そもそも選挙特番に面白みは必要なのか!?

テレビ朝日「選挙ステーション2017」は、「報道ステーション」の富川悠太アナ、小川彩佳アナと後藤謙次、「サタデーステーション」の高島彩、「サンデーステーション」の長野智子という“オールステーション”でお送りしますとのことだったが、画面にずっと5人分のワイプがあり、卒業アルバムの撮影日に欠席した生徒みたいになっていた。なぜ全員の顔を映す必要がある!? なんともいえない呉越同舟臭。「なぜ私にメインをやらせない!?」という長野智子の心の声が聞こえた(ような気がする)。

“オールステーション”なら、いっそ「ミュージックステーション」のタモリも呼べばよかったのに。番組終盤、第2部の司会を務める田原総一朗が出てきて、「自民党勝ちすぎだよ、これおかしいよ」とまくしたてたところがいちばん印象に残った程度。草食系の富川アナに足りないのはこの“圧”。視聴率は8.8%。

“圧”と言えば、ほぼそれだけで乗り切ったのが宮根誠司率いるフジテレビ「FNN選挙特番 ニッポンの決断!2017」だ。視聴率7.2%は、村田諒太の世界タイトル戦のおかげ。創価学会の“F票”(フレンドのF)についてめずらしく斬り込んでいたが、池上さんのテレ東とまんまネタかぶり。ついてないというか運がないというか。宮根がしゃべりすぎなのか、毎回「お話の途中ですが、ここでお時間となります」と切られ、もやもやが残った。宮根の最後のメッセージは「もう偏向放送だっていうのヤメませんか」って、まさかの視聴者批判。

唯一、豊田真由子の「このハゲ~!」音声を使わなかった(「違うだろ~」は使用)のが、NHK「2017衆院選 開票速報」。台風情報と開票速報を淡々と、程よいバランスで報じた。面白味はないが、そもそも選挙特番に面白味って必要か!? “池上無双”の呪縛から逃れられない民放各局の選挙特番、なんだかなあ。

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