民放テレビの選挙特番は「池上模倣」ばかりだ 模倣が進み、一周回ってNHKに落ち着いた!?

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そして今回、新たに登場したのがこれまた池上考案「政界 悪魔の辞典」だ。『悪魔の辞典』の著者アンブローズ・ビアスに負けず劣らず、“ブラック池上”の風刺が効いた言葉の数々。「総選挙=政権選択選挙。AKB48のほうが有名」「公約=選挙前は多くの人に知ってほしい。選挙後は早く忘れてほしい」「当選=月額129万4000円 期末手当約635万円 文書通信費月額100万円もらえます」というように、画面の左下にはし休めのように出てきたが、それだけでなく、わざわざ巨大辞典を作らせているからすごい(ネットでも公開)。

そして、「池上ライブ」名物といえば、番組独自の一風変わった候補者プロフィールだ。たとえば細野豪志の場合。【“希望の党”創設メンバー。記者から“モナ王”をもらい動揺「俺もこれで一世風靡した……」】とあった。それに比べて、【インスタにスイーツ多数】(日テレ)や【1年で囲碁の初段に合格。好きな食べもの!たこやき】(TBS)、【妻と能にはまる】(フジ)などと比べると、その出来映えは歴然。さすが本家だ。こういう細かなところまで労力を惜しまないのが、「池上ライブ」の魅力であり、それが堂々民放1位の視聴率(9.8%、関東地区)につながる。

特筆すべきは、安倍首相との中継途中に会場の音声が突如大音量になり、やり取りがうまくいかなかったこと。その前、二階俊博自民党幹事長も質疑応答にニコリともせず、不機嫌全開。自民党はよほど池上さんがお嫌いのようで。

今回もダントツに面白かったが、難を言えば、最近恒例になりつつある、峰竜太が小選挙区は誰に、比例はどの政党に入れたかと発表するのは不要かと。出演者全員、もしくは池上が発表するならともかく……。

日テレのキャスター陣、おなじみ感はあるけれど…

民放第2位(9.3%)は、日本テレビ「ZERO×選挙2017」。こちらは、村尾信尚、小正裕佳子、櫻井翔、桐谷美玲の「NEWS ZERO」に、「news every.」の小山慶一郎、そしてなぜか芥川賞芸人・又吉直樹が参加。「ZERO×選挙」は今年で8回目、おなじみ感はあるが、嵐の櫻井にNEWSの小山、女優の桐谷美玲か、と色眼鏡で見てしまうのはこちらの度量の問題なのか。「櫻井キャスター」「小山キャスター」「桐谷キャスター」と呼び合う姿にニヤニヤしてしまう。

目玉は、その櫻井キャスターが小泉進次郎を単独取材した「櫻井×進次郎“同学年ホンネ対談”」。同学年の2人による3度目の対談だ。「いつまでも雑巾がけしてるわけにはいかないけど気持ちは雑巾がけ」「経験を積むとセンサーが広がって、好きなことばかりやってちゃいけないと思う」などと進次郎。さらに「よく客寄せパンダって言われますけど、客が呼べないパンダより客が呼べるパンダのほうがいいかな」と自嘲ぎみに。番組ではやたら“ホンネ”を強調していたが、池上彰にも「パンダだったら客呼べないより呼んだほうがいいですから。しっかりとシャンシャンに負けず役割を果たします」と答えていた。

この「人寄せパンダ」と「トランプ、プーチン、習近平、金正恩、どう考えたってきれい事だけで通用しませんでしょ」、そして「新聞が軽減税率なのはおかしい。何度も言ってるのにテレビも新聞も報じてくれない」というのは進次郎発言3点セット。いつも同じ話になる“鶴瓶噺”のようだが、さも「あなただけに」とばかりに語るのはさすが。それをどこもありがたく報じているのがなんともおまぬけ。進次郎のほうが1枚も2枚も上手だ。

進次郎つながりで、TBS「激突!与野党大決戦 選挙スタジアム2017」。井上貴博アナとホラン千秋の「Nスタ」コンビと、「NEWS23」の星浩がメイン。ご自慢は「SMV(スーパーマルチビジョン)」で、各地の選挙区で起こる緊迫した様子を12カ所同時に映し出すというが、さほど活用していた印象はなく……。

こちらの候補者プロフィールは、岡田克也【趣味はカエルの置物集め 朝食はダイエットジュース】など。頑張って調べたのだろうが、なんせ文字が小さくて読みにくい。テレ東のアイデアをまねたという後ろ暗い気持ちが文字を小さくさせるのか。だったらやらないほうがまし。

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