秋サケの来遊数が減少したのはここ1~2年だけの話ではない。2000年代以降を見ても、2004年(全国計7665万尾)から10年以上にわたって減少傾向をたどっている。こうした長期的趨勢についてはどう考えればいいのか。
サケの生態学的研究の第一人者である北海道大学国際連携機構の帰山雅秀・特任教授は、「『レジームシフト』と呼ばれる地球規模の気候変動と、人間活動による地球温暖化が相乗効果となってここ20年ほどのサケの生活史と生残率に影響を及ぼしているのではないか」と分析する。
1990年代末ごろを境に、アリューシャン低気圧の勢力減退などによって北太平洋の大気と海洋条件が新たな「レジームシフト」を起こし、サケの生育にとってマイナス方向に転換した。また、近年の温暖化によってオホーツク海など日本近海の海水温が上昇し、サケの回遊ルートや生残率に影響を与えているという見方だ。ただ、「気候変動とサケの生活史や生残率との関係は、すべてが解明されているわけではない」(帰山氏)。まだまだ謎が多いのだ。
この記事は有料会員限定です
残り 1445文字
