好奇心と運の強いヤツだけが一流になれる! 特別対談 松本大×三田紀房(その1)
漫画家を続ける原動力
三田:先ほど、漫画の世界もトレーダーと同じように、結果がはっきりしていると申し上げたのは、漫画の世界も数字がすべてなのです。面白いか、つまらないかということは、すべて読者アンケートを通じてはっきりわかる。そして、面白くない漫画はどんどん強制終了させられてしまう。だから、漫画家はつねに読者が面白いと思う作品を作り続けなければならない。結果がはっきりしている。
松本:とても厳しい世界ですよね。でも、三田さんはその中で長いこと漫画を描き続けていらっしゃる。プレッシャーもあると思うのですが、それでも漫画家の仕事を続けていらっしゃる原動力は何なのでしょうか。
三田:う~ん、それはアイデアがどんどん湧いてくるからだと思います。やはりアイデアを形にするのはとても面白い作業ですからね。だから、アイデアが出続けるかぎり、私はひたすら漫画を描きますよ。もちろん、アイデアがまったく出てこなくなったら、その時点で退場を告げられることになるわけですが、今のところ書きたいものがたくさんありますから、しばらくその心配もないでしょう。生涯現役を貫けるのが、漫画家のいいところです。
私は今まで、サラリーマンをやっていたこともありますし、商店を経営していたこともあります。その仕事がうまくいかなくなって、起死回生を図るべく漫画家になったわけですが、サラリーマンに比べると、仕事の結果がはっきりと出ます。この点も魅力的です。
松本さんだって、いろいろな投資のアイデアが浮かんできたからこそ、それをマーケットで試すことに喜びを感じたからこそ、いろいろなプレッシャーがあっても、トレーダーとしての仕事を続けて来られたのでしょう。それと同じです。
松本:ただ、私の場合は実際にマーケットのプレーヤーとして仕事をしたのは、30歳までの8年間程度なのですね。その後はゴールドマン・サックスのパートナーという、日本企業で言うところの役員でしたから、どちらかというと経営サイドでした。そして今はマネックス証券のCEOですから、ずっと経営者としての仕事が続いてきたわけです。なので、いつかマネックス証券を辞めるときが来たら、マネックス証券に口座を開いて、海でも見ながらトレーディングをしたいですね。とにかくマーケットの世界が好きなので、もう一度、いちトレーダーに戻りたいと思います。
三田:今日は証券会社の経営者と私の対談なので、さてどういう流れになるのか、皆目、見当がつきませんでしたが、お話を伺っていると、トレーダーと漫画家は、深いところで同じ感覚があるのかもしれませんね。
※ 続きは9月27日(金)に掲載します
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