東京地検、「宿直勤務者」が2つの仰天不祥事 釈放すべきを釈放せず、拘留すべきを釈放
「裁判所から電話で決定内容の連絡を受けていても、裁判所から決定書が届いたら改めてそれを読む。そんな基本的なことをなぜしなかったか。私も納得できない。皆さんになぜしなかったと聞かれても、理解してもらえる説明ができない」と山上次席検事は頭を抱える。「誠に恥ずかしながら基本中の基本を怠った。裁判所の決定の内容を誤解した。電話で受けた第一報の中身を誤解した挙句、後で送られてきた決定書をチラチラと見るだけでハイハイと処理したのだろう。そうとしか思えない」(山上検事)。
「自爆を恐れずに言えば」
東京地検は実は2件とも直接謝罪をしていない。1件目の被疑者には弁護人を通じて謝罪したという。1件目の事件はまだ捜査中であり、弁護士を通じて被疑者に東京地検の謝罪が伝えられたかどうかは定かではないという。2件目は身柄を確保した時点で、被告人に直接経緯を伝えたが、謝罪したかどうかは明言を避けた。
今回の不祥事に伴う処分は法務省が行う見込みだが、「監督者的立場の者と下っ端とでは責任が違う。当日の宿直勤務で一番上にいた検事の責任が一番重い。この検事は2件ともに関わっている」(山上次席検事)。当日の宿直勤務者の人数を何度聞かれても明言しなかったのは、「下っ端」の事務官の中には処分されない者がいるかもしれないからだろう。
再発防止策はどうするのか。ダブルチェックするためのチェックシートはあるものの、機能しないことがあることが今回の不祥事で明らかになった。山上次席検事は「適正に職務を遂行するために改めて指導を徹底し再発防止に取り組んでいく」とする一方、「自爆を恐れずに言えば、裁判所から届けられた決定書をきちんと読め、とまでチェックシートに書かなければいけないのか」とマニュアル整備による再発防止には現実問題として限界があることをほのめかした。
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