ウォルマート、ネット通販好調で株価最高値 8-10月の既存店売上高が予想超え
[シカゴ 16日 ロイター] - 小売世界最大手の米ウォルマート・ストアーズの第3・四半期(8-10月)決算は、国内既存店売上高が市場予想を上回った。米南部を見舞ったハリケーンに絡む需要や好調なネット通販事業に押し上げられた。
米株式市場午前の取引で、ウォルマートの株価は約9%上昇し、過去最高値を更新した。
ハリケーン関連の売り上げによる押し上げ効果も
第3・四半期の既存店売上高(燃料価格変動による影響除く)は前年同期比2.7%増と、コンセンサス・メトリックスがまとめたアナリスト予想の1.7%増を上回った。小売業界全体が向かい風にさらされいるにもかかわらず、ウォルマートの既存店売上高は13四半期連続でプラスの伸びを記録した。とりわけ第3・四半期は、2009年以来最大の伸びとなった。
ハリケーン関連の売り上げによる押し上げ効果は30-50ベーシスポイント(bp)だった。ハリケーン「ハービー」や「イルマ」上陸に備え食品や備品の購入が拡大したほか、ハリケーンの損害を受けた家屋などの修復に向けた建設資材の需要も堅調だった。
ウォルマート米国部門のフォーラン最高経営責任者(CEO)は「食料品は四半期ベースで6年ぶりに強い伸びを記録した」と指摘した。
ネット通販売上高は50%増と、業界全体の伸びを超える勢いを示したものの、前四半期の60%増からは鈍化した。ネット通販の売り上げも既存店売上高を80bp押し上げた。
特別項目を除く1株利益は1ドルと、トムソン・ロイター・エスティメーツのまとめたアナリスト予想の0.97ドルを上回った。
ムーディーズの小売アナリスト、チャーリー・オシェア氏は「ネット通販事業の業績は、ウォルマートの大規模な投資が正当であることを立証している」と指摘した。
ただ、ネット通販事業への投資に加え、値下げや従業員の賃上げが圧迫要因となり、営業利益は前年同期比6.9%減の47億6000万ドル。営業利益率も3.9%と、前年同期の4.4%から低下した。
純利益は17億5000万ドルと、30億3000万ドルから減少。債務償却などに絡む損失計上が圧迫した。
年末商戦を含む第4・四半期については堅調な結果となることを見込む。販促を大幅に拡充するほか、インターネット上で販売する商品数を3倍増としたことを明らかにした。ネット通販では35ドル以上の購入で2日以内の無料配送サービスを提供し、ネットで注文した商品を店舗で受け取る場合にはディスカウントを提供するなど、ネット通販大手アマゾン・ドット・コムに攻勢をかける。
通期利益見通しも上方修正。1株当たり4.38-4.46ドルと予想し、従来の4.30-4.40ドルから引き上げた。
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