京急が三崎口を「三崎マグロ駅」にした理由 「まぐろきっぷ」値上げしても大人気は続くか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
京急2100形車両をイメージした「KEIKYU OPEN TOP BUS」(筆者撮影)

このオープントップバスは、みさきまぐろきっぷの「三浦・三崎おもひで券」(レジャー施設の利用券)と座席指定乗車券を引き換えることでしか乗車できない。ここに同社がまぐろきっぷを三浦観光のマストアイテムに位置づけようとする狙いが表れている。拠点となる三崎口駅のロータリーには専用の案内所兼待合所を新設。さらに12月3日までの期間限定で、同駅の駅名看板のデザインを「三崎マグロ駅」と変えてしまうほどの力の入れようだ。

2009年に販売を開始したみさきまぐろきっぷは(1)発駅から三崎口駅までの京急線の往復乗車券と京急バスのフリー乗車券(2)まぐろ食事券(3)レジャー施設の利用券――を3枚1セットにした企画乗車券だ。

食事券は、名物オヤジで知られる「くろば亭本店」など、マグロ料理を出す約30の店からあらかじめ決まったメニュー1つを選べる。施設利用券には水中観光船「にじいろさかな号」やレンタサイクル、複数の入浴施設が選択肢にあり、お土産にも引き換えられる。食事とレジャーを自由に組み合わせて、多種多様にカスタマイズできるのが特徴だ。

リニューアルで14%の値上げ

品川駅発の場合、通常は三崎口駅でバスに乗り換えて三崎港まで行くと、往復の交通費だけで大人1人当たり約2500円かかってしまう。リニューアル前のまぐろきっぷの値段は、品川・京急蒲田・京急川崎のいずれの駅から乗っても3060円。この金額で食事とレジャー施設の利用(またはお土産)まで付いてくるのだから、おトク感は際立っている。

窓口に並ばずに自動券売機で買える手軽さも好評で、発売当初の2009年度に1万6000枚ほどだった販売枚数は年々増えていき、2016年度には15万7461枚を記録した。テレビの情報番組などでも度々取り上げられ、知名度アップに拍車がかかったという。

京急電鉄は今回のリニューアルに伴ってきっぷの値段を改定した。品川発の場合は大人3500円で、従来に比べ440円(14%)もの値上げになる。

次ページ「今年度は20万枚」強気の見通し
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事