「ナース服」のナガイレーベン、高収益の秘訣 営業利益率30%!老舗企業の強みは何か?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

転機を迎えたのは1969年。白衣の製造部門拡充のため、子会社のナガイ白衣工業を秋田県に設立した。一方で食品加工やレストラン用などからは撤退、多用途の白衣からメディカルウエア専門の製造販売事業に転換したのだ。

現在、ナガイレーベンの売上高は病院用のナースウエアや介護用のヘルパーウエアといったヘルスケアウエア事業が6割近くを占める。

残りは医者の白衣を扱うドクターウェア事業や、病院患者用ウエア事業、手術ウエア事業などだ。どの商品も企画、製造、販売を自社で一貫して行っている点に特徴がある。同社によれば、ヘルスケアウエアでは市場シェア65%と圧倒的な存在だ。

強さの秘密は何か?

会見する澤登一郎・ナガイレーベン社長。同社は一般的な知名度は低くても、高収益・高配当性向で市場では知られた銘柄の1つ(記者撮影)

実は、ナースウエアや医者の白衣といったメディカルウエアを購入しているのは病院ではない。

衛生さを保つために洗濯の頻度が多く、費用もかかるからだ。多くは専門洗濯業者がこうしたメディカルウエアを購入し、病院や介護施設にリースする方式をとっている。

一般的にメディカルウエアは1着あたり洗濯を100回程度すると、買い替えの時期を迎える消耗品だ。そのため、洗濯業者は継続的に買い替える必要がある。国内の医療、介護業界の成長に伴って、ナガイレーベンの売上高も右肩上がりを続けてきた。

さらに、ナガイレーベンでは東レやクラレといった大手繊維メーカーと共同で素材を開発。メディカルウエアは動きやすさのほか、手帳や筆記具の収納力、ウエアに付着した細菌が増えないような抗菌加工、医療機器に影響を及ぼす静電気を発生させない加工、白く薄くても透けない、といったさまざまな機能によって差別化を進めている。

次ページ高価格なハイエンド品を投入する狙い
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事