居酒屋「磯丸水産」がギョーザ屋を始めた理由 ニンニク不使用のギョーザを売る狙いとは?

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上野店で目についたのは女性客の多さ。メニューの豊富さで女性客を引き付けている(撮影:尾形文繁)

今年3月にギョーザ居酒屋の1号店として出店した小滝橋通り店は、もともと磯丸水産を改装した店舗だ。オープン初日は夕方4時から客が押し寄せ、夜中0時すぎまでほぼ満席の状態が続いた。

磯丸水産などの数多くの新店立ち上げに携わってきた営業本部業態推進部の平野良二スーパーバイザーは、「想像を絶する混雑だった。グループ本部の人員も駆け付け、対応した。開店時にここまでにぎわった店舗は、ほかにないかもしれない」と話す。

1号店はその後も売り上げを伸ばし、開店から半年間の売り上げは磯丸水産だった頃に比べも35.5%のアップとなった。こうした成果を見極めてから、出店拡大に舵を切った。

磯丸水産とのスケールメリットを生かす

上野店には持ち帰り専用の窓口を設置している(撮影:尾形文繁)

いち五郎は店舗の採算性も高い。営業利益率は磯丸水産と同水準の20%を確保しているようだ。いち五郎の客単価は2000円と、磯丸水産の2500~2700円よりも低い。それでも高い利益率を出せるのは、客数増を図っているだけでなく、合理化も徹底しているためだ。

磯丸水産と食材仕入れを共通化して、グループのスケールメリットによる原価低減を追求。また、「週に1度の割合で棚卸しをしている」(平野スーパーバイザー)と、食材の在庫状況を注視して原価を管理。さらに、各店舗にオーダー用のタブレット端末を導入することでスタッフの数を極力抑えるなど、店舗運営を効率化している。

短期間で急成長の兆しを見せたギョーザ居酒屋は、同業他社の耳目を集める。「10月の中旬に社内の朝礼で、『急速に伸びているらしい』と話題になった」(大手居酒屋チェーンに勤務する女性)。同業他社幹部は「いま伸びているのは、業態そのものが支持されているのではなく、立地がよいからではないか。今後の動向に留意したい」と語る。

佐藤社長は「急ピッチで、さまざまなテストを重ねていく」と意気込む。ただ、過剰なペースで出店が続けば、不採算店が増えるおそれもある。市場動向を見極めた店舗展開ができるかが、いち五郎の行く末を左右しそうだ。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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