『一度は転職で懲りましたが・・・』(37歳・男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
<城繁幸氏の診断>
診断:『最初の失敗は、例外的なケース』
一般的に、中途採用で正社員として採用するのは、終身雇用を前提とした幹部候補だけであり、使い捨てにするつもりで採用するというのは、普通は考えられません。この売り手市場に、高い広告費や紹介料を払いつつ、わざわざそんなことをするメリットなどないでしょう。
よっぽど“オンリーワン”な特殊技能を持った人であれば、ノウハウを吸収する目的だけでオファーを出すこともあるかもしれませんが…普通、そういった人材なら、なおのこと将来にわたって囲い込もうとするはずです。
実際、“生え抜き”という言葉自体、既に転職市場では死語になりつつあります。
そういう観点から、最初の転職について分析してみました。
1.社風が終身雇用ベースの非常に古いものであり、“生え抜き”という価値観をいまだ保ってしまっていた。
2.社風の古さにくわえ、社内派閥(前部長派、現部長派など)の確執も存在したと思われる。
おそらく、こういったいくつかの要因が重なった結果でしょう。