『一度は転職で懲りましたが・・・』(37歳・男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
CASE:41
『一度は転職で懲りましたが・・・』(37歳・男性)
<相談者の悩み>
お世話になります。37歳男性です。現在は販売会社にて管理業務をしております。現在、転職について悩んでいるところです。実は以前、転職で失敗した経験があるためです。
元々、新卒で入社したメーカーで製品サポートを担当しておりましたが、30歳になったとき、大手メーカーからの誘いを受けて転職した経験があります。「より大きな幅で業務を経験していないと企業ニーズに対応できない」という危機感を持っていたのが、転職した理由です。
新会社ではユーザーと開発部門の橋渡し的な業務をこなし、新製品の売り上げに一定の貢献が出来たと思っています。実際、企画部の責任者に引っ張られる形で、よりやりがいのある部署に異動もさせてもらえました。
ところが、その責任者が異動で他部門に移ると、すべてが一変したのです。新しくやってきた上司は「後は社内で実績があった若手課長にやらせるから」と言い、主要業務から私を外してしまったのです。結局、居場所がなくなったことがきっかけで、その会社は退職した次第です。
現在の会社では、冒頭にあるように管理部門で比較的時間に余裕のある業務についています。特に不満はありませんが、よりやりがいのある仕事を担当していた昔が懐かしくもあります。
そんな中、ヘッドハンター経由で、別の大手メーカーからのオファーをいただきました。業務内容には強く惹かれています。
ここで質問なのですが、このオファーを受けたとしても、プロジェクトが一段落すれば、結局はプロパー(生え抜き)の出世頭にポストを取って代わられるのではないか、ということです。
以前そういう経験があるだけに、同じ轍は踏みたくないというのが正直なところです。