マツダ、モーターショーも「エンジン」で異彩 EVや自動運転技術がそろう中、我が道を行く

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現在、開発陣は約2年後に迫った製品化に向け、最後の調整を進めている。ノッキングによるカラカラ…という振動が出るのを抑えることが最大の課題だ。点火のタイミングを適正化したり、空気量を調整して混合比率を安定させたりすることで、ノッキングは解消できるという。

「まだエンジンをやっています」

東京モーターショーでの出展の目玉は、何といっても電気自動車(EV)や自動運転技術だ。そうした他メーカーの動向を横目に、マツダはあくまでもエンジンにこだわる。SKYACTIV-Xの開発責任者・人見光夫常務は「まだエンジンやってる人見です」と自らを紹介する。その裏にあるのは、このエンジンの環境性能に対する強い自信だ。

ガソリンの自己着火を可能にした新世代エンジン。マツダの技術がつまっている(記者撮影)

「2030年でも内燃機関車が全体の7割を占める。そこで実質的かつ効率的なCO2削減を実現する。社内的には、火力発電を使った電気自動車よりもトータルのCO2排出を減らそうと話している」(人見常務)

エンジンだけではない。魁コンセプトでは、車のボディや足回りもすべて刷新した。ボディの接合面に特別なボンド材を使い、不快な振動を吸収して熱エネルギーとして放出する技術や、人間の歩き方をマツダ病院や大学と研究し、歩行時の身体の動き方をもとに足回りやシートを設計した。これらによって、ドライバーにとってバランスのとりやすい運転が実現されるという。

では、ファン待望のロータリー技術は置き去りなのだろうか。マツダのある役員は「ロータリースポーツも開発を続けている」と打ち明ける。EV開発はトヨタ自動車との提携を軸に進めるマツダだが、独自の技術開発にこだわり続ける。ファンにとっては、これからも目が離せない存在となりそうだ。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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