JR7社、日本大縦断「激レア」共同ツアーの中身 発足30年記念企画、走る列車も連携も珍しい

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寝台列車「カシオペア」。JR30周年のスペシャルツアーでは、JR貨物のEH500形電気機関車が牽引する(写真:F4UZR / PIXTA)

JR旅客・貨物7社は10月17日、発足30周年を記念した7社共同企画の「スペシャルツアー」を発売すると発表した。

1987年の国鉄分割民営化に伴うJRの発足から今年で30年を迎え、JR各社はそれぞれに30周年記念行事として乗り放題切符の発売や各種のイベントなどを実施しているが、7社共同での企画は珍しい。

ツアーは寝台列車「カシオペア」をはじめとする各社の観光列車などを乗り継ぎ、9泊10日で日本列島をめぐる「観光列車コース」と、新幹線をメインに新函館北斗から鹿児島中央まで2泊3日で縦断する「新幹線コース」の2つ。観光列車コースは「各社が運行する観光列車をつなぎ、旅の楽しみを味わってもらう」、新幹線コースは「北海道から九州まで新幹線がつながったことで日本列島の移動が容易になり、縦断の旅を2泊3日で楽しめることを知ってもらう」(ともにJR東日本広報部)ことがコンセプトだ。

貨物の機関車がカシオペア牽引

観光列車コースは「24の列車で繋ぐ じっくり日本列島縦断10日間」と題し、上野を起点にいったん札幌まで北上。新幹線などを乗り継いで南下し、高山本線などを乗り継いで北陸方面へ向かった後、在来線特急と新幹線を乗り継ぎ、さらに瀬戸大橋を渡って四国に。本州に戻った後は新幹線で九州へ上陸して長崎を訪問し、帰りは岡山から寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で東京へ戻る……という行程だ。

利用する列車の中で特に注目されるのは、旅の始まりとなる上野から青森まで、ツアー専用として運転される寝台列車「カシオペア」を、通常は貨物列車用であるJR貨物の電気機関車EH500形が牽引すること。極めて珍しい編成が実現するだけに、運転日となる12月5日は沿線に鉄道ファンが大勢訪れそうだ。

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